重要度:A 論点:2条の営造物責任
問4:国家賠償法2条に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:営造物の設置管理の瑕疵に基づく責任は、管理者の過失を要件とする過失責任である
- B:国道上に故障車が87時間放置されていた場合でも、道路管理者は責任を負わないとされた
- C:防護柵を設置するための予算措置が困難であったことは、賠償責任を免れる理由とならない
【第4問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。2条責任は営造物が通常有すべき安全性を欠いていれば成立する無過失責任である(高知落石事件)。
・B:不適切。87時間放置事件では管理の瑕疵が認められた。直前の事故で時間的余裕がなかった赤色灯事件(瑕疵なし)との対比が頻出。
・C:適切。高知落石事件の予算抗弁の排斥である。【試験対策】「無過失責任・予算抗弁×」が2条の出発点。ただし不可抗力や回避可能性の欠如(赤色灯事件)では責任が否定される。
関連過去問:R1,問21
重要度:A 論点:河川管理・機能的瑕疵
問5:営造物責任に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:未改修河川の安全性は、道路と同様に、常に完全な安全性が要求される
- B:空港や道路の騒音など、営造物の利用に伴い周辺住民に被害が生じる場合は、営造物自体に物理的欠陥がないため、設置管理の瑕疵が認められることはない
- C:未改修河川又は改修の不十分な河川については、諸制約の下で一般に施行されてきた治水事業の過程に対応する過渡的な安全性で足りる
【第5問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。河川は自然公物であり、財政的・技術的・社会的制約を考慮した過渡的安全性で足りるとされた(大東水害訴訟)。道路(人工公物)との違い。
・B:不適切。機能的瑕疵(供用関連瑕疵)の法理により、大阪空港訴訟・国道43号線訴訟で第三者への被害につき瑕疵が認められている。
・C:適切。大東水害訴訟の判旨である。【試験対策】「道路=厳格(予算抗弁×)/河川=緩和(過渡的安全性)」の対比と、改修済み河川には計画規模の安全性を要する(多摩川水害)という区別まで。
関連過去問:R4,問21
重要度:A 論点:公権力の行使の範囲
問6:国家賠償法1条の「公権力の行使」に関する記述として適切なものはどれか。
- A:公権力の行使には、純粋な私経済作用と国家賠償法2条の対象となる営造物の設置管理作用を除く、すべての作用が含まれるとするのが判例・通説である
- B:公権力の行使には、行政指導などの非権力的な作用は一切含まれない
- C:公立学校における教師の教育活動は、私人の教育活動と変わらないため、公権力の行使に含まれない
【第6問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。広義説の内容である。【試験対策】「除かれるのは私経済作用と2条対象のみ」という引き算で覚える。1条と2条で国・公共団体の活動をほぼ全面的にカバーする構造。
・B:不適切。広義説では行政指導や公立学校の教育活動などの非権力的作用も含まれる。
・C:不適切。判例は公立学校における教師の教育活動(部活動の指導等)も公権力の行使に含めている。
関連過去問:R7,問20/R4,問20
