重要度:A 論点:訴訟類型
問7:行政事件訴訟の類型に関する記述として適切なものはどれか。
- A:当事者訴訟には、住民訴訟や選挙の効力に関する訴訟が含まれる
- B:民衆訴訟は、自己の法律上の利益にかかわる資格で提起する訴訟である
- C:抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう
【第7問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。住民訴訟・選挙訴訟は民衆訴訟の例である。当事者訴訟の例は損失補償の額を争う訴え(形式的)や公務員の地位確認(実質的)など。
・B:不適切。民衆訴訟は「自己の法律上の利益にかかわらない資格で」提起する客観訴訟である(5条)。定義の核心部分を逆にした肢。
・C:適切。3条1項の定義である。【試験対策】「抗告訴訟(6類型)・当事者訴訟(形式的/実質的)・民衆訴訟・機関訴訟」の4類型と、後2者(客観訴訟)は「法律に定める場合に法律に定める者に限り」提起できる点。
関連過去問:H30,問18
重要度:A 論点:処分性の判例(2)
問8:処分性に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:土地区画整理事業の事業計画の決定について、判例は一貫して処分性を否定している
- B:告示によって一括して行われる建築基準法上のいわゆる二項道路の指定は、処分性が認められる
- C:行政庁の通達は、国民の権利義務に重大な影響を与えるため、常に処分性が認められる
【第8問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。最大判平20.9.10は従来の「青写真」判決を変更し、処分性を肯定した。「一貫して否定」が誤り。判例変更の有無を問う定番。
・B:適切。二項道路の一括指定(最判平14.1.17)は、個別の土地について具体的な私権制限を発生させるとして処分性が肯定された。【試験対策】「一般的・一括的な形式でも、法効果が個別具体的なら処分性あり」という実質判断の例として覚える。
・C:不適切。通達は行政内部の命令であり、原則として処分性は否定される(墓地埋葬通達事件)。
関連過去問:R5,問19
重要度:A 論点:原告適格(2)
問9:原告適格に関する記述として適切なものはどれか。
- A:9条2項は、処分の相手方以外の者の原告適格を判断するにあたり、処分の根拠法令の趣旨・目的や、処分において考慮されるべき利益の内容・性質等を考慮すべきことを定めている
- B:公衆浴場の既存業者は、新規参入者に対する許可の取消しを求める原告適格を有しない
- C:9条2項は、目的を共通にする関係法令の趣旨・目的を参酌することを禁じている
【第9問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。9条2項は、2004年の行政事件訴訟法改正により新設された、処分又は裁決の相手方以外の者の原告適格を判断する際の考慮事項である。小田急線連続立体交差事業認可取消訴訟大法廷判決(最大判平17.12.7)は、同項を適用し、騒音・振動等により健康又は生活環境に係る著しい被害を直接受けるおそれのある周辺住民の原告適格を認めた。【試験対策】「根拠法令及び目的を共通にする関係法令の趣旨・目的」と「利益の内容・性質及び害される態様・程度」の二つを整理する。
・B:不適切。判例は、適正配置規制のある公衆浴場の既存業者に、新規許可を争う原告適格(法律上の利益)を認めている。既存業者=競業者の利益が個別的利益として保護される例。
・C:不適切。関係法令の趣旨・目的の参酌はむしろ明文で要求されている(9条2項かっこ書)。
関連過去問:-
