重要度:A 論点:違法性の承継
問16:違法性の承継に関する記述として適切なものはどれか。
- A:先行行為の違法は、後行行為の取消訴訟において常に主張することができる
- B:安全認定と建築確認のように、両者が結合して一つの効果の実現を目指し、先行行為を争う手続保障が十分でない場合には、例外的に違法性の承継が認められる
- C:違法性の承継は、判例上一切認められていない
【第16問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。原則は承継否定である(先行行為は出訴期間内に争うべきものだから)。「常に」が誤り。
・B:適切。たぬきの森事件(最判平21.12.17)の枠組みである。【試験対策】「原則否定→①一連の手続・結合して一つの効果②手続保障の不十分さ、の2要素で例外肯定」という構造ごと覚える。
・C:不適切。たぬきの森事件で現に承継が肯定されている。
関連過去問:R6,問8
重要度:A 論点:行政裁量の審査
問17:行政裁量に対する司法審査に関する記述として適切なものはどれか。
- A:裁量処分は、裁量権の範囲の逸脱又は濫用がある場合に限り、裁判所は取り消すことができる
- B:裁量処分については、裁判所は行政庁と同一の立場に立って処分の当否を判断し直すことができる
- C:考慮すべき事項を考慮せずにされた判断でも、結論が妥当であれば裁量権の逸脱濫用にはならない
【第17問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。行訴法30条の明文である。【試験対策】審査手法として①社会観念審査(マクリーン・神戸税関)②判断過程審査(日光太郎杉・小田急)③手続的審査(個人タクシー)の3つを判例名とセットで。
・B:不適切。判断代置は否定される(神戸税関事件)。裁判所は逸脱濫用の有無のみを審査する。
・C:不適切。他事考慮・考慮不尽は判断過程の過誤として裁量権の逸脱濫用を基礎づける(日光太郎杉事件)。
関連過去問:H28,問9
重要度:A 論点:執行罰・即時強制
問18:行政上の強制手段に関する記述として適切なものはどれか。
- A:執行罰は過去の義務違反に対する制裁であるため、同一の義務違反について反復して課すことはできない
- B:即時強制とは、義務の不履行を前提に、義務者の身体又は財産に実力を加えて義務の内容を実現する作用をいう
- C:執行罰の一般法は存在せず、現行法では砂防法に規定が残るのみである
【第18問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。執行罰は将来に向けた履行強制の手段であり、義務が履行されるまで反復して課すことができる。制裁である行政罰との違い。
・B:不適切。即時強制は「義務を課すことなく」直接に実力を加える作用である。義務の不履行を前提とするのは直接強制。
・C:適切。執行罰は砂防法36条に残るのみである。【試験対策】「執行罰=砂防法のみ・反復可・行政罰と併科可」の3点セット。条例で執行罰・直接強制を創設できない点も総論の頻出事項。
関連過去問:H29,問10
