重要度:A 論点:1条の要件と外形標準説
問1:国家賠償法1条に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:客観的に職務執行の外形を備える行為であれば、公務員が自己の利をはかる意図で行った場合でも「職務を行うについて」にあたる
- B:非番の警察官が制服を着用して職務執行を装い他人に損害を加えた場合でも、実際には私的行為であるため国は責任を負わない
- C:「公権力の行使」には権力的作用のみが含まれ、公立学校における教育活動は含まれない
【第1問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。外形標準説である。被害者の信頼保護のため客観的外形で判断する。【試験対策】民法715条の「事業の執行について」の外形標準説と同じ発想。公務員の主観を持ち出す肢は誤り。
・B:不適切。外形標準説により国の責任が認められた(最判昭31.11.30)。
・C:不適切。広義説により、純粋な私経済作用と営造物の設置管理作用を除くすべての作用が含まれ、公立学校の教育活動も含まれる(判例)。
関連過去問:R7,問20
重要度:A 論点:公務員個人責任と求償
問2:国家賠償法1条1項が適用される公務員の職務上の違法行為に関する記述として適切なものはどれか。
- A:被害者は、加害公務員個人に対して直接損害賠償を請求することができる
- B:国が被害者に賠償した場合、加害公務員に軽過失があれば、国はその公務員に求償することができる
- C:被害者は加害公務員個人に直接請求できず、国が賠償した場合の公務員への求償は、公務員に故意又は重大な過失があるときに限られる
【第2問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。判例は公務員個人の対外的責任を否定する。
・B:不適切。求償できるのは故意又は「重大な過失」がある場合に限られる(1条2項)。軽過失では求償できない。
・C:適切。「個人責任×・求償は故意重過失のみ」のセットである。【試験対策】公務員の萎縮防止という制度趣旨から理解する。民法の使用者責任(被用者個人も責任を負う)との違いが対比で問われる。
関連過去問:R6,問21/R7,問21
重要度:A 論点:規制権限の不行使
問3:行政の規制権限の不行使と国家賠償に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:規制権限の行使は行政の自由裁量であるため、その不行使が国家賠償法上違法となることはない
- B:権限の不行使が、権限を定めた法令の趣旨・目的等に照らし、許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは、国家賠償法上違法となる
- C:規制権限の不行使は、被害者からの権限発動の申請があった場合に限り違法となりうる
【第3問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。筑豊じん肺訴訟・水俣病関西訴訟などで不行使の違法が現に認められている。
・B:適切。判例の定式である。【試験対策】「著しく合理性を欠く」という定式ごと暗記。じん肺・水俣病=違法、という結論とセットで。規制権限は国民の生命健康保護のために付与されているという趣旨から導かれる。
・C:不適切。申請の有無は要件ではない。判例の枠組みは権限不行使の合理性の審査である。
関連過去問:-
