重要度:A 論点:権限の委任と代理
問10:行政庁の権限の委任に関する記述として適切なものはどれか。
- A:権限の委任がされると権限は受任機関に移転するため、法律の根拠が必要であり、受任機関は自己の名で権限を行使する
- B:権限の委任がされても、委任機関は引き続き自ら権限を行使することができる
- C:権限の代理では権限が代理機関に移転するため、法律の根拠が必要である
【第10問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。委任=権限の移転=法律の根拠必要+受任機関名義、である。【試験対策】「委任=移る・法律必要・受任者名義/代理=移らない・顕名/専決=内部決裁・行政庁名義」の3点セットの表で整理。
・B:不適切。委任により権限は移転するため、委任機関は当該権限を失い、自ら行使できなくなる。
・C:不適切。代理では権限は移転しない(被代理機関に権限が残る)。授権代理に法律の根拠は不要と解されている。
関連過去問:-
重要度:A 論点:附款
問11:行政行為の附款に関する記述として適切なものはどれか。
- A:「負担」が付された許可において、相手方が負担上の義務を履行しない場合、許可の効力は当然に失われる
- B:附款は、法律に明文の根拠がある場合にのみ付すことができ、行政庁に裁量が認められる場合であっても法律の根拠なく付すことはできない
- C:道路占用許可に付された占用期間の定めのように、効力の消滅を将来発生確実な事実にかからせる附款は「期限」である
【第11問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。負担の不履行があっても本体の効力は当然には失われない(撤回の事由となりうるにとどまる)。条件(成就により当然に効力変動)との違い。
・B:不適切。附款は法律の根拠がある場合のほか、行政行為について行政庁に裁量が認められる場合にも付すことができると解されている。
・C:適切。発生が確実な事実に効力の発生又は消滅をかからせるものが期限であり、発生が不確実な事実にかからせるものが条件である。【試験対策】附款の代表的な分類として、条件・期限・負担・撤回権の留保・法律効果の一部除外の5類型が挙げられる。ただし、法律効果の一部除外を行政行為の内容そのものと捉え、附款に含めない見解もある。
関連過去問:R7,問10
重要度:A 論点:行政調査
問12:行政調査に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:川崎民商事件判決は、憲法35条・38条の保障は行政手続には一切及ばないとした
- B:旧所得税法上の質問検査は、刑事責任の追及を直接の目的とするものではなく強制の程度も間接的であることなどから、令状なしに行っても憲法35条に反しない
- C:税務調査における質問検査を行うには、実施の日時・場所を事前に通知することが法律上の要件とされている
【第12問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。川崎民商事件は、憲法35条・38条の保障が行政手続に「及びうる」ことを認めた上で、当該質問検査は合憲とした。「一切及ばない」ではない。
・B:適切。川崎民商事件(最大判昭47.11.22)の結論である。【試験対策】「保障は及びうる・しかし当該調査は合憲」という判旨の二段構造ごと覚える。憲法38条(供述拒否権)についても同様の枠組み。
・C:不適切。荒川民商事件(最決昭48.7.10)は、実施の日時場所の事前通知や調査理由の個別的告知は法律上一律の要件とされていないとした。
関連過去問:R4,問10
