問5:審査請求の審理関係者等に関する次の記述のうち、行政不服審査法の規定に照らし、妥当なものはどれか。
- A:利害関係人は、審理員の許可を得ることなく、当然に審査請求に参加することができる。
- B:審査請求は代理人によってすることができるが、代理人が審査請求の取下げをするには、特別の委任を要する。
- C:審査庁となるべき行政庁は、標準審理期間を定めなければならず、これを定めないことは違法となる。
- D:審査請求人は、裁決があるまでの間、口頭で審査請求を取り下げることができる。
- E:多数人が共同して審査請求をしようとするときであっても、総代を互選することはできない。
【第5問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】
妥当でない。利害関係人の参加には審理員の許可が必要である(13条1項)。審理員の側から参加を求めることもできる(同2項)。
・B
【論点】代理人の権限の範囲(12条2項)
【考え方】
代理人は審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求の取下げは審査請求人の権利救済の途を閉ざす重大な行為であるため、特別の委任がなければすることができない。
【選択肢解説】
本肢は12条2項ただし書のとおりであり、妥当である。
・C
【選択肢解説】
妥当でない。標準審理期間の設定は努力義務であり(16条・「定めるよう努める」)、定めないことが直ちに違法となるわけではない。定めた場合の公表は義務である。
・D
【選択肢解説】
妥当でない。取下げは書面でしなければならない(27条2項)。口頭による取下げは認められない。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。多数人が共同して審査請求をするときは、3人を超えない総代を互選することができる(11条1項)。
関連過去問:R6,問14
問6:裁決に関する次の記述のうち、行政不服審査法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。
- A:審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は裁決で当該審査請求を却下する。
- B:処分についての審査請求に理由がある場合、事実上の行為を除き、審査庁は裁決で当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。
- C:処分を変更することができるのは、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれかである場合に限られる。
- D:認容裁決があった場合、処分庁は、同一の事情の下で同一の理由により同一内容の処分を繰り返すことができない。
- E:棄却裁決があった場合、処分庁はその裁決の拘束力により、以後、当該処分を職権で取り消すことができなくなる。
【第6問:正解と解説】
正解:E
・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。却下裁決(45条1項)である。要件審理で門前払いとなる場合である。
・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。46条1項のとおり。
・C
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。46条1項ただし書のとおり。第三者的立場の審査庁には変更権限がない。
・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。裁決の拘束力(52条)の帰結である。
・E
【論点】棄却裁決と処分庁の職権取消し
【考え方】
行政不服審査法52条1項は、裁決が関係行政庁を拘束すると定める。しかし、審査請求を棄却する裁決は、原処分を取り消し、または変更すべきことを命ずるものではなく、処分庁に原処分を将来にわたって維持すべき義務を課すものでもない。したがって、棄却裁決後に処分庁が別途その処分を職権で取り消し、または撤回することは、棄却裁決の拘束力によって妨げられない。
【選択肢解説】
本肢は、棄却裁決により処分庁が原処分を維持する義務を負い、職権取消しもできなくなるとしているため、妥当でない。よって本問の正解である。
関連過去問:R5,問15/R6,問16
