重要度:B 論点:調停と仲裁
問10:裁判外紛争解決手続(ADR)に関する記述として適切なものはどれか。
- A:調停では、当事者の合意がなくても調停案が当事者を法的に拘束する
- B:裁判上の和解が調書に記載されても、判決ではないため強制執行することはできない
- C:仲裁では、当事者の合意を前提に、仲裁人の判断(仲裁判断)が当事者を拘束し、確定判決と同一の効力を有する
【第10問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。通常の調停が成立するためには、当事者双方が解決内容に合意する必要があり、単なる調停案が当然に当事者を拘束するわけではない。ただし、民事調停法上の調停に代わる決定など、通常の合意による調停成立とは異なる法定の制度が設けられている場合がある。
・B:不適切。和解調書の記載は確定判決と同一の効力を有する(民事訴訟法267条)。金銭の支払など給付義務を定めた和解調書は債務名義となり、その義務について強制執行をすることができる。
・C:適切。仲裁は、当事者が紛争の解決を仲裁人の判断に委ねる仲裁合意を前提とする。仲裁判断は当事者を拘束し、確定判決と同一の効力を有する。【試験対策】「通常の調停=当事者の合意による解決/仲裁=仲裁人の判断による解決」と基本的な違いを整理する。なお、仲裁判断に基づいて強制執行をするためには、原則として裁判所の執行決定が必要である。
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重要度:B 論点:三審制と飛躍上告
問11:わが国の審級制度に関する記述として適切なものはどれか。
- A:わが国は三審制を原則とするが、当事者の合意等により控訴審を省略して直接上告する制度(飛越上告・跳躍上告)も存在する
- B:三審制は憲法上の要請であり、法律によって審級を短縮することは一切許されない
- C:内乱罪に関する刑事事件の第一審は、地方裁判所である
【第11問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。三審制の原則と例外である。【試験対策】審級制度は憲法上の要請ではなく法律事項(81条の最高裁の違憲審査権を害しない限り)。飛越上告(民訴)・跳躍上告(刑訴)、内乱罪の高裁第一審など例外の存在が問われる。
・B:不適切。審級制度は法律で定めうる事項であり、三審制自体は憲法上の要請ではないと解されている。
・C:不適切。内乱罪の第一審は高等裁判所である(裁判所法16条4号)。第一審が高裁となる例外の代表。
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重要度:A 論点:民事訴訟と刑事訴訟の基本原則
問12:民事訴訟と刑事訴訟の違いに関する記述として適切なものはどれか。
- A:民事訴訟では、裁判所は当事者が主張しない事実も自由に取り上げて判決の基礎とすることができる
- B:刑事訴訟においても、被告人と検察官の合意により、裁判所の判決によらずに訴訟を終了させる和解が広く認められている
- C:民事訴訟では、訴訟の開始・審判対象の設定・終了を当事者の意思に委ねる処分権主義が妥当し、当事者は判決によらず和解によって訴訟を終了させることができる
【第12問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。弁論主義により、裁判所は当事者の主張しない主要事実を判決の基礎とすることができない。
・B:不適切。刑事訴訟に訴訟上の和解の制度はない(国家刑罰権の実現は当事者の処分に委ねられない)。
・C:適切。処分権主義(訴えなければ裁判なし・訴訟上の和解・請求の放棄認諾)である。【試験対策】「民事=処分権主義・弁論主義/刑事=国家訴追主義・職権主義的要素」の対比が基礎法学の定番。
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