重要度:A 論点:正当な補償の意味
問11:憲法29条3項の「正当な補償」の意味について判例の立場を述べよ。
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農地改革事件(最大判昭28.12.23)は、その当時の経済状態において成立することを考えられる価格に基づき合理的に算出された相当な額であれば市場価格を下回ってもよいとした(相当補償説)。一方、土地収用法に関する判例(最判昭48.10.18)は収用の前後を通じて財産価値を等しくする完全な補償を要するとしており、場面に応じた使い分けに注意する。
関連過去問:-
重要度:A 論点:29条3項に基づく直接請求
問12:法令に損失補償規定がない場合、その法令は直ちに違憲となるか。
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ならない。判例(河川附近地制限令事件・最大判昭43.11.27)は、補償規定がなくても、憲法29条3項を直接の根拠として補償請求をする余地が全くないわけではないとし、法令自体は違憲無効とならないとした。
関連過去問:-
重要度:A 論点:31条と告知・聴聞
問13:第三者所有物没収事件(最大判昭37.11.28)の判旨を述べよ。
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被告人以外の第三者の所有物を、その所有者に告知・弁解・防御の機会を与えることなく没収することは、適正な法律手続によらずに財産権を侵害するものであり、憲法31条・29条に違反するとした。
関連過去問:-
重要度:A 論点:行政手続と31条(成田新法事件)
問14:成田新法事件(最大判平4.7.1)は、憲法31条と行政手続の関係についてどのように述べたか。
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憲法31条の定める法定手続の保障は、直接には刑事手続に関するものであるが、行政手続にもその保障が及ぶと解すべき場合がある。ただし行政手続は多種多様であり、常に必ず事前の告知・弁解・防御の機会を与える必要はなく、諸利益の総合較量により決せられるとした。
関連過去問:H28,問42(多肢)
重要度:A 論点:行政手続と35条・38条(川崎民商事件)
問15:川崎民商事件(最大判昭47.11.22)の判旨を述べよ。
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川崎民商事件(最大判昭47.11.22)は、憲法35条および38条の保障が、純然たる刑事手続以外の手続にも及び得ることを認めた。憲法38条1項の保障は、刑事手続以外でも、実質上、刑事責任追及のための資料の取得・収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続に及ぶ。しかし、旧所得税法上の質問検査は、所得税の公平・確実な賦課徴収を目的とする行政手続であり、刑事責任の追及を直接の目的とするものではなく、拒否に対する罰則も直接的・物理的な強制ではないことなどから、令状なしで行っても憲法35条に違反せず、憲法38条1項にも違反しないとした。
関連過去問:R4,問5
