重要度:A 論点:規制目的二分論と判例
問1:職業選択の自由の規制に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:薬事法距離制限事件は、薬局の適正配置規制を中小薬局保護のための積極目的の規制と認定し、明白性の原則により合憲とした
- B:小売市場事件は、小売市場の許可規制を国民の生命・健康に対する危険防止のための消極目的の規制と認定し、厳格な合理性の基準により違憲とした
- C:薬事法距離制限事件は消極目的の規制についてより緩やかな手段で目的を達成できるとして違憲とし、小売市場事件は積極目的の規制について明白性の原則により合憲とした
【第1問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。薬事法事件は「消極目的」の規制と認定した。目的の認定と結論がいずれも逆である。
・B:不適切。小売市場事件は「積極目的」(経済的基盤の弱い小売商の保護)の規制と認定し、合憲とした。
・C:適切。二分論の代表的な適用例である。【試験対策】「薬事法=消極・違憲」「小売市場=積極・合憲」のセットを崩さない。目的の認定部分をすり替える肢が定番のひっかけ。
関連過去問:H26,問4
重要度:B 論点:酒類販売免許制
問2:酒類販売業免許制に関する判例(最判平4.12.15)の説明として適切なものはどれか。
- A:国民の生命・健康への危険を防止する消極目的の規制として、厳格な合理性の基準で審査された
- B:租税の適正かつ確実な賦課徴収という財政目的の規制として、立法府の判断が著しく不合理でない限り合憲とされた
- C:距離制限と同様の積極目的規制として違憲とされた
【第2問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。酒類販売免許制は消極目的とは認定されていない。
・B:適切。酒類販売業免許制は、酒税の適正かつ確実な賦課徴収を目的とする規制である。最高裁判所は、職業の自由に対する規制の合憲性について、規制の目的、必要性、内容、制約される職業の自由の性質・内容および制限の程度を比較考量して判断すべきであるとした。その上で、租税法の定立については立法府の政策的・技術的判断を尊重すべきであり、免許制の必要性・合理性に関する立法府の判断が、その政策的・技術的な裁量の範囲を逸脱するもので、著しく不合理なものでない限り、憲法22条1項に違反しないとして合憲と判断した。【試験対策】「財政目的」「租税法に関する立法裁量の尊重」「結論は合憲」の三点を押さえる。
・C:不適切。結論は合憲である。また積極目的とも単純には認定されていない。
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重要度:A 論点:正当な補償の意味
問3:憲法29条3項の「正当な補償」に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:農地改革事件の判例は、収用時の市場価格を下回る補償は財産権の保障を没却するものとして常に違憲であるとする完全補償説を採用した
- B:判例は一貫して、収用の目的や性質を問わず、いかなる場合にも市場価格の半額程度の補償で29条3項の「正当な補償」として十分であるとの立場を維持している
- C:農地改革事件は合理的に算出された相当な額であれば市場価格を下回ってもよいとし、他方で土地収用法の事案では収用の前後を通じて財産価値を等しくする完全な補償を要するとした判例がある
【第3問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。農地改革事件は相当補償説を採り、市場価格を下回る補償も許容した。
・B:不適切。そのような基準を示した判例はない。相当補償説も「合理的に算出された相当な額」を要求しており、恣意的な低額を許すものではない。
・C:適切。場面によって相当補償・完全補償の判断が使い分けられている。【試験対策】「農地改革=相当補償」「土地収用=完全補償」と事案とセットで覚える。『判例は一貫して〜』という断定肢は誤りのサイン。
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