行政書士 憲法 初級編(4〜6問)|包括的人権・平等・社会権

重要度:A 論点:平等に関する違憲判決群

問4:法の下の平等に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:再婚禁止期間違憲判決は、女性の再婚禁止期間の全部を違憲とし、この判決により直ちに再婚禁止期間の規定は失効した
  • B:非嫡出子相続分違憲決定は、嫡出でない子の相続分を2分の1とする規定を、家族形態の多様化等を踏まえ合理的根拠を失ったとして違憲とした
  • C:夫婦同氏制について判例は、氏の変更を強制されない自由を憲法上の権利と認め、民法750条を違憲とした
【第4問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。違憲とされたのは「100日を超える部分」のみである。なお再婚禁止期間の規定自体は令和4年民法改正(令和6年4月施行)で廃止されたが、それは判決の直接の効力ではなく立法による。
・B:適切。時代の変化により「遅くとも平成13年7月当時において」合理的根拠を失ったとする判断手法も特徴的である。【試験対策】平等分野の違憲判決4つ(尊属殺・非嫡出子・再婚禁止・国籍法)はセットで頻出。何が・どの範囲で違憲かを正確に。
・C:不適切。夫婦同氏制は合憲とされ、氏の変更を強制されない自由は憲法上の権利として保障される人格権の一内容とはいえないとされた。

関連過去問:R1,問4


重要度:A 論点:生存権の法的性格

問5:生存権に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:朝日訴訟・堀木訴訟は、憲法25条の具体化を立法府・行政府の広い裁量に委ねつつ、著しく合理性を欠き明らかに裁量権の逸脱・濫用と認められる場合には司法審査が及び得るとする立場である
  • B:堀木訴訟の最高裁判決は、障害福祉年金と児童扶養手当の併給禁止規定について、立法裁量を認めず、生存権を保障する憲法25条に違反するものとして違憲と判断した
  • C:朝日訴訟の生存権に関する判示は、傍論ではなく、上告人の死亡後も本案判決の主文において示されたものである
【第5問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。憲法25条を具体化する立法や行政判断には、専門技術的・政策的な考慮を必要とするため、立法府・行政府に広い裁量が認められる。しかし、広い裁量が認められることは司法審査が排除されることを意味しない。裁判所は、判断が著しく合理性を欠くか、裁量権の範囲を逸脱し、またはこれを濫用していないかを審査する。

なお、最三小判令和7年6月27日は、生活扶助基準の改定について厚生労働大臣の専門技術的・政策的裁量を認めつつ、改定に至る判断過程および手続に過誤・欠落がないか、統計等の客観的数値との合理的関連性や専門的知見との整合性があるかを審査し、当該改定を生活保護法3条・8条2項に違反する違法なものとした。ただし、憲法25条違反を認めた判決ではない。

【試験対策】「広い裁量がある=司法審査が及ばない」ではない。裁量の逸脱・濫用の有無は司法審査の対象となる。
・B:不適切。堀木訴訟の結論は合憲である。
・C:不適切。朝日訴訟は原告の死亡により訴訟終了と判断され、生存権に関する判示は「念のため」の傍論として示された。

関連過去問:H30,問5


重要度:A 論点:在外邦人選挙権訴訟

問6:在外日本人選挙権訴訟(最大判平17.9.14)の説明として適切なものはどれか。

  • A:選挙権の制限は立法府の広い裁量に委ねられるため、在外国民への制限も合憲とされた
  • B:選挙権又はその行使の制限にはやむを得ない事由が必要であるとして違憲としたが、立法不作為を理由とする国家賠償請求は棄却された
  • C:選挙権又はその行使の制限にはやむを得ない事由が必要であるとして違憲とし、立法不作為を理由とする国家賠償請求も認容された
【第6問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。選挙権の制限について判例は「やむを得ない事由」を要求する厳格な立場を採り、違憲とした。
・B:不適切。前半は正しいが、本判決は立法不作為についての国家賠償請求も認容した点に大きな意義がある。
・C:適切。違憲判断と国賠認容の両方を含む画期的判決である。【試験対策】立法不作為が国賠法上違法となる場合の基準を示した判例として、国家賠償法の分野でも再出題される。憲法×行政法の横断判例。

関連過去問:R1,問5


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