行政書士 憲法 初級編(1〜3問)|統治・内閣

重要度:A 論点:国務大臣の任免

問1:国務大臣の任免に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:内閣総理大臣は、閣議にかけることなく単独で国務大臣を罷免することができる
  • B:国務大臣の罷免には閣議決定を経る必要がある
  • C:国務大臣はすべて国会議員の中から任命しなければならない
【第1問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。罷免は内閣総理大臣の専権であり(68条2項)、閣議にかける必要はない。首長としての地位(66条1項)を実質化する権限である。【試験対策】明治憲法下の「同輩中の首席」との対比で、現行憲法の首相の強い地位(任免権・訴追同意権・指揮監督権)を整理すると記憶が定着する。
・B:不適切。罷免はまさに首相の単独でなしうる専権であり、閣議決定は不要である。
・C:不適切。国会議員の中から選ばれる必要があるのは「過半数」であり(68条1項)、全員である必要はない。民間人の登用も可能である。

関連過去問:H29,問5


重要度:A 論点:内閣の総辞職

問2:内閣が総辞職しなければならない場合に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:衆議院で内閣不信任決議案が可決された場合、内閣は直ちに総辞職しなければならない
  • B:衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったとき、内閣は総辞職しなければならない
  • C:参議院で内閣総理大臣の問責決議が可決された場合、内閣は法的に総辞職の義務を負う
【第2問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。不信任決議可決の場合、内閣には「10日以内に衆議院を解散する」という選択肢があり、解散しないときに初めて総辞職義務が生じる(69条)。「直ちに」ではない。
・B:適切。憲法70条は、衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったとき、内閣は総辞職しなければならないと定めている。

衆議院の解散による総選挙後には特別会が召集される。衆議院議員の任期満了による総選挙後は、国会法2条の3により、原則として新たな任期が始まる日から30日以内に臨時会が召集される。ただし、その期間内に常会が召集された場合等には、臨時会を別に召集する必要はない。

いずれの場合も、総選挙後に初めて国会が召集されたとき、内閣は総辞職しなければならない。

【試験対策】総辞職事由は、①衆議院の不信任決議後10日以内に解散しない場合、②内閣総理大臣が欠けた場合、③衆議院議員総選挙後に初めて国会が召集された場合の三つを区別する。
・C:不適切。参議院の問責決議には法的効力はなく、政治的な意味を持つにとどまる。衆議院の不信任決議(69条)だけが法的効果を持つ。

関連過去問:R4,問6


重要度:A 論点:内閣総理大臣の権限(ロッキード事件)

問3:内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:ロッキード事件判決によれば、内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針が存在しない限り、行政各部に対していかなる指導・助言等の指示も与えることができない
  • B:ロッキード事件判決は、閣議決定した方針が存在しない場合でも、内閣の明示の意思に反しない限り、首相は行政各部に指導・助言等の指示を与える権限を有するとした
  • C:行政各部の指揮監督権は各国務大臣に専属し、内閣総理大臣は関与できない
【第3問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。内閣法6条は閣議にかけて決定した方針に基づく指揮監督を定めるが、ロッキード事件判決はそれがない場合の指示権限も認めた。
・B:適切。首相の職務権限(賄賂罪の成否の前提)を広く認めた判決である。【試験対策】「閣議決定方針があるとき=指揮監督(内閣法6条)」「ないとき=指導・助言等の指示(判例)」の二段構えで整理。
・C:不適切。行政各部の指揮監督は憲法72条が内閣総理大臣の権限として明定している。

関連過去問:H21,問41(多肢)


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