行政書士 憲法 初級編(10〜12問)|包括的人権・平等・社会権

重要度:A 論点:公務員の労働基本権

問10:公務員の労働基本権に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:現業・非現業を問わず、公務員にも民間労働者と全く同一の労働基本権が保障される
  • B:判例は一貫して、公務員の争議行為の禁止は違憲であるとしている
  • C:全農林警職法事件判決は、公務員の地位の特殊性と職務の公共性を理由に、争議行為の一律禁止を合憲とした
【第10問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。公務員の労働基本権は、地位の特殊性・職務の公共性から制約を受ける(警察職員等は三権すべて否定されるなど、職種により制限の程度も異なる)。
・B:不適切。全農林警職法事件以降、判例は一律禁止を合憲とする立場で確立している。
・C:適切。最大判昭48.4.25である。【試験対策】判例の変遷(全逓東京中郵〔緩和〕→都教組〔合憲限定解釈〕→全農林警職法〔一律禁止合憲へ転換〕)の流れごと問われる。代償措置(人事院勧告等)の存在が合憲の支えとされた点も。

関連過去問:-


重要度:A 論点:選挙権・立候補の自由

問11:選挙権・被選挙権に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:立候補の自由は、憲法15条1項の保障する重要な基本的人権の一つと解すべきであるとするのが判例である
  • B:被選挙権(立候補の自由)は、憲法上の保障を受けない
  • C:労働組合が、組合の方針に反して立候補した組合員を統制違反として処分することは、組合の統制権の範囲内として常に許される
【第11問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。三井美唄労組事件(最大判昭43.12.4)である。【試験対策】選挙権と表裏の関係にある立候補の自由も15条1項で保障される、という導出。組合の統制権との衝突場面で示された点もセットで。
・B:不適切。判例は立候補の自由を15条1項の保障に含めた。
・C:不適切。判例は、立候補を思いとどまるよう勧告・説得することは許されるが、これに従わないことを理由に統制違反として処分することは統制権の限界を超え違法とした。

関連過去問:R1,問5


重要度:B 論点:受益権

問12:受益権(国務請求権)に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:請願を受けた機関は、請願の内容を審理し、請願者に対して裁定を下す法的義務を負う
  • B:何人も、損害の救済等に関し平穏に請願する権利を有し、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない
  • C:裁判を受ける権利は、民事・刑事事件のみを対象とし、行政事件には及ばない
【第12問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。請願には誠実に処理する義務が生じるにとどまり、審理・裁定の義務はない。
・B:適切。憲法16条は、何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律・命令・規則の制定、廃止・改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、請願をしたことを理由として差別待遇を受けないことを保障している。

請願法に適合する請願について、官公署はこれを受理し、誠実に処理しなければならない。ただし、請願者の希望どおりの措置を講じたり、請願内容について審理・判定や応答をしたりする法的義務までは負わない。具体的な提出先や方式については、請願法、国会法、地方自治法等の定めに従う。

【試験対策】「受理・誠実処理義務はある/内容実現・審理・裁定義務まではない」と区別する。
・C:不適切。32条の「裁判」には行政事件の裁判も含まれる。

関連過去問:R5,問4


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