重要度:B 論点:前文の法的性格
問10:憲法前文に関する記述として適切なものはどれか。
- A:前文には本文と同様の裁判規範性が認められるため、国民は前文の平和的生存権を直接の根拠として裁判所に具体的な救済を求めることができるとするのが判例である
- B:前文は単なる政治的宣言であり、憲法の一部を構成しない
- C:前文は憲法の一部を構成し、その改正には96条の改正手続が必要であるが、前文の平和的生存権を直接の根拠として裁判上の救済を求めることはできないと一般に解されている
【第10問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。前文の裁判規範性は一般に否定されている。
・B:不適切。前文は憲法典の一部であり、法規範性が認められる。
・C:適切。「法規範性あり・裁判規範性なし」が通説的整理である。【試験対策】前文は解釈の指針にはなるが、具体的請求の根拠にはならない。平和的生存権の裁判規範性を否定した裁判例の流れも同旨。
関連過去問:-
重要度:A 論点:在監者の人権
問11:刑事施設被収容者の人権に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:未決拘禁者の新聞閲読の自由の制限は、監獄内の規律・秩序維持に放置できない程度の障害が生ずる相当の蓋然性がある場合に、必要かつ合理的な範囲で認められる
- B:在監者には、閲読の自由は一切保障されない
- C:在監者の人権制限は、伝統的な特別権力関係論により、法律の根拠なくして包括的に行うことができ、司法審査も及ばないと解するのが現在の判例・通説である
【第11問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。よど号ハイジャック記事抹消事件(最大判昭58.6.22)の判断枠組みである。【試験対策】「相当の蓋然性+必要かつ合理的な範囲」の定式と、施設長の判断に裁量を認めつつ枠をはめた構造。
・B:不適切。閲読の自由は在監者にも保障され、制限には上記の要件が必要である。
・C:不適切。刑事施設被収容者が国と特別な法律関係にあるという理由だけで、法律上の根拠なく人権を包括的または無制限に制限することはできず、司法審査が当然に排除されるものでもない。人権制限の適否は、法律上の根拠、人権の性質、拘禁関係の目的、規律・秩序維持の必要性、制限の内容および程度などを踏まえて個別に判断される。
関連過去問:R5,問3
重要度:B 論点:人権の分類
問12:基本的人権の分類に関する記述として適切なものはどれか。
- A:受益権(国務請求権)には、裁判を受ける権利のほか、生存権や教育を受ける権利といった社会権も含まれる
- B:社会権は、国家の介入を排除する権利である
- C:自由権は「国家からの自由」、社会権は「国家による自由」と呼ばれ、参政権は「国家への自由」と位置づけられる
【第12問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。生存権・教育を受ける権利は社会権に分類される。受益権の典型は請願権・裁判を受ける権利・国家賠償請求権・刑事補償請求権。
・B:不適切。国家の介入排除は自由権の説明。社会権は国家に積極的な作為を求める権利である。
・C:適切。人権の三分類の基本である。【試験対策】分類は絶対的なものではなく、一つの人権が複数の性格を持ちうる(例:知る権利=自由権的側面+請求権的側面)という相対性まで理解すると応用が利く。
関連過去問:-
