重要度:B 論点:占有者と回復者の関係
問16:善意占有者の果実収取権と占有者の費用償還請求権について述べよ。
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善意の占有者は果実を取得できる(189条1項)。悪意の占有者は果実を返還し、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う(190条)。費用については、必要費は善意・悪意を問わず償還請求できるが、占有者が果実を取得した場合は通常の必要費を負担する(196条1項)。有益費は、価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、支出額又は増価額の償還を請求できる(同条2項)。悪意の占有者については、裁判所は回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
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重要度:A 論点:占有の推定
問17:186条による推定の内容と、推定されない事項を述べよ。
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占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏かつ公然と占有するものと推定される(186条1項)。「無過失」はここでは推定されないが、即時取得の場面では、前主の占有に188条の権利適法の推定が働く結果、これを信頼した取得者の無過失も推定されるとするのが判例(最判昭41.6.9)。取得時効(162条2項)では無過失は推定されず主張者が立証を要する点との違いに注意。
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重要度:A 論点:相続と占有・185条
問18:相続は185条の「新たな権原」にあたりうるか。
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あたりうる。判例(最判昭46.11.30)は、相続人が被相続人の死亡により占有を承継しただけでなく、新たに事実上の支配を開始し、所有の意思があるとみられる場合には、185条にいう新権原により自主占有を始めたものと解しうるとした。他主占有者の相続人が独自に自主占有を開始できる可能性を認めた重要判例である。
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重要度:A 論点:相隣関係(令和3年改正)
問19:令和3年改正(令和5年4月施行)で整備された相隣関係の規律を2つ述べよ。
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①隣地使用権:境界近傍の障壁・建物の築造・修繕、境界標の調査等のため必要な範囲で隣地を使用できる(209条・「使用を請求できる」から「使用できる」へ改正)。②設備設置権・設備使用権:電気・ガス・水道等のライフラインを引き込むため、必要な範囲で他人の土地に設備を設置し、又は他人の設備を使用できる(213条の2・新設)。いずれも事前通知等の手続と損害への償金支払いが定められている。
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重要度:A 論点:共有物の変更・管理・保存
問20:共有物の変更・管理・保存行為に必要な同意の要件を、令和3年改正を踏まえて述べよ。
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①変更:共有物に変更を加えるには、原則として共有者全員の同意が必要である(251条1項)。ただし、形状又は効用の著しい変更を伴わない軽微な変更は、持分価格の過半数で決することができる。②管理:共有物の管理に関する事項は、持分価格の過半数で決する(252条1項)。共有物を使用する共有者がいる場合も同様である。ただし、共有者間の決定に基づいて使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾が必要である(同条3項)。短期の賃借権等の設定は管理行為として過半数で決することができ、その期間は、樹木の栽植又は伐採を目的とする山林は10年、その他の土地は5年、建物は3年、動産は6か月以内である(同条4項)。③保存:保存行為は各共有者が単独ですることができる(同条5項)。
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