行政書士 民法 一問一答(6〜10問)|債権各論法定債権

重要度:B 論点:騙取金による弁済

問6:騙取・横領された金銭で自己の債権の弁済を受けた債権者に対し、被害者は不当利得返還請求ができるか。

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社会通念上、被害者の金銭で債権者の利益をはかったと認められるだけの連結がある場合において、債権者が悪意又は重大な過失により金銭を受領したときは、債権者の金銭取得は被害者に対する関係で法律上の原因を欠き、不当利得となる(最判昭49.9.26)。

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重要度:A 論点:一般不法行為の要件

問7:一般不法行為(709条)に基づく損害賠償請求の要件を述べよ。

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①故意又は過失、②権利又は法律上保護される利益の侵害、③損害の発生、④行為と損害との間の因果関係。加えて加害者に責任能力があること(責任を弁識するに足りる知能を欠く未成年者・精神障害者は賠償責任を負わない/712条・713条)。故意・過失の立証責任は被害者側にある(債務不履行の免責事由構成との違い)。

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重要度:A 論点:過失相殺・被害者側の過失

問8:不法行為における過失相殺の特徴と、「被害者側の過失」の法理を述べよ。

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被害者に過失があったときは、裁判所は損害賠償の額を定めるにあたりこれを「考慮することができる」(722条2項・任意的考慮であり、責任自体を否定することはできない。債務不履行の418条との対比が頻出)。被害者本人と身分上・生活関係上一体をなすとみられる関係にある者(例:監督中の親)の過失は「被害者側の過失」として考慮できるが、保育士など一体性のない者の過失は考慮されない(判例)。被害者の過失相殺能力は事理弁識能力で足りる。

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重要度:A 論点:損益相殺

問9:損益相殺の意義と、判例上控除が否定された例を挙げよ。

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損益相殺とは、被害者が不法行為と同一の原因によって利益を受け、損害と利益との間に同質性がある場合に、公平の見地からその利益を損害額から控除する調整をいう。判例は、生命保険金、幼児死亡の場合の将来の養育費、香典・見舞金などについて控除を否定する。遺族年金等の社会保険給付は、填補の対象となる損害との同質性が認められ、かつ、現実に支給された場合又はこれと同視し得る程度にその存続及び履行が確実である場合に、対応する損害の範囲で控除される。損益相殺は損害額の算定に関する問題であるため、加害者側からの主張がなくても裁判所が考慮できる。

関連過去問:R5,問34


重要度:A 論点:消滅時効

問10:不法行為による損害賠償請求権の消滅時効を述べよ。

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①被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年(人の生命又は身体を害する不法行為の場合は5年/724条・724条の2)、②不法行為の時から20年で時効消滅する。2020年改正で20年の期間は除斥期間ではなく時効であることが明文化され、完成猶予・更新の適用がある。

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