行政書士 民法 初級編(1〜3問)|債権各論(法定債権)

重要度:A 論点:不法行為の要件

問1:不法行為(709条)に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:加害者の故意・過失の立証責任は、損害賠償を請求する被害者の側にある
  • B:債務不履行の場合と同様、加害者の側が帰責事由のないことを立証しなければ責任を免れない
  • C:責任能力のない未成年者の加害行為についても、未成年者自身が損害賠償責任を負う
【第1問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。不法行為では被害者が故意・過失を立証する。【試験対策】「不法行為=被害者が過失を立証/債務不履行=債務者が免責事由を立証」の立証責任の分配は両制度の比較問題の定番。
・B:不適切。免責事由構成は債務不履行(415条)の規律である。不法行為とのすり替え。
・C:不適切。責任を弁識する能力を欠く未成年者は賠償責任を負わない(712条)。この場合に監督義務者の責任(714条)が問題となる。

関連過去問:R4,問34


重要度:A 論点:使用者責任

問2:B社の従業員Aが業務中に交通事故を起こし、Cに損害を与えた。使用者責任に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:B社がCに賠償した場合、B社は被用者Aに対して、信義則上の制限を受けることなく賠償額の全額を常に求償することができる
  • B:「事業の執行について」の要件は、行為の外形から客観的に判断され、Aの職務権限内の行為である外形を備えていれば足りる
  • C:使用者責任が成立する場合、A自身はCに対して賠償責任を負わない
【第2問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。使用者から被用者への求償は、信義則上相当と認められる限度に制限される(判例)。全額求償は原則できない。
・B:適切。外形標準説である。【試験対策】取引的不法行為では、相手方が職務外であることにつき悪意・重過失の場合は保護されない、という限界とセットで。近時は被用者から使用者への「逆求償」を認めた令和2年判例も要注意。
・C:不適切。使用者責任が成立してもAの709条責任は併存し、CはA・B社のいずれにも(連帯的に)全額請求できる。

関連過去問:-


重要度:A 論点:工作物責任

問3:A所有・B占有(賃借)の建物の塀が、その設置又は保存の瑕疵により倒れ、通行人Cが負傷した。工作物責任に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:占有者Bは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしたことを立証すれば、責任を免れる
  • B:所有者Aは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしたことを立証すれば、責任を免れる
  • C:占有者Bが免責された場合、Cは誰にも損害賠償を請求できない
【第3問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。第一次的責任者である占有者は中間責任であり、免責立証が可能(717条1項ただし書)。【試験対策】「占有者=中間責任(免責可)/所有者=無過失責任(免責不可)」の二段構造は717条の核心。
・B:不適切。所有者の責任は無過失責任であり、免責の立証は許されない。
・C:不適切。占有者が免責されると、二次的に所有者Aが(無過失でも)責任を負うため、CはAに請求できる。

関連過去問:-


タイトルとURLをコピーしました