行政書士 民法 初級編(13〜15問)|債権各論(法定債権)

重要度:B 論点:正当防衛・緊急避難

問13:民法上の正当防衛・緊急避難に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利等を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない
  • B:民法上の緊急避難とは、他人の不法行為から逃れるために第三者に損害を加えることをいう
  • C:正当防衛が成立する場合、防衛行為によって損害を受けた者は、最初の不法行為者に対して損害賠償を請求することもできない
【第13問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。720条1項本文である。【試験対策】民法の緊急避難(同2項)は「他人の『物』から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合」に限る点が刑法との大きな違い。比較で狙われる。
・B:不適切。民法上の緊急避難は「他人の物から生じた急迫の危難」を避けるため「その物」を損傷する場合をいう(720条2項)。刑法の緊急避難より狭い。
・C:不適切。防衛行為によって損害を受けた者から、最初の不法行為者に対する損害賠償の請求は妨げられない(720条1項ただし書)。

関連過去問:R4,問34


重要度:A 論点:使用者の求償・逆求償

問14:使用者責任における求償に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:使用者の被用者に対する求償は、被用者の故意による加害の場合に限り認められる
  • B:被用者が自ら被害者に損害を賠償した場合であっても、被用者から使用者に対して求償(逆求償)することは一切できない
  • C:使用者が被害者に損害を賠償した場合、使用者は被用者に求償できるが、判例は信義則上相当と認められる限度に制限している
【第14問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。故意に限定する規定・判例はない。求償の可否・範囲は諸事情を考慮した公平の見地で決まる。
・B:不適切。最判令2.2.28は、被用者が賠償した場合に、損害の公平な分担の見地から相当と認められる額について使用者に対する求償(逆求償)を認めた。近時の重要判例。
・C:適切。求償権の制限(最判昭51.7.8・茨石事件)である。【試験対策】報償責任(利益を得る者が損失も負担)の考え方から、求償は「損害の公平な分担」の見地で制限される。

関連過去問:H30,問33


重要度:B 論点:騙取金による弁済

問15:BがAから騙し取った金銭で、自己の債権者Cに対する債務を弁済した。AのCに対する不当利得返還請求に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:金銭の所有権は占有の移転とともに受領者に移転するため、AがCに対して不当利得返還を請求する余地は一切ないと解されている
  • B:Cが金銭を受領するにつき悪意又は重大な過失がある場合には、Cの金銭の取得は、Aとの関係で法律上の原因を欠き、不当利得となる
  • C:Cが善意軽過失であっても、AはCに対して不当利得返還を請求できる
【第15問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。判例はCの悪意・重過失の場合に不当利得の成立を認めており、「一切ない」は誤り。
・B:適切。騙取金による弁済の判例(最判昭49.9.26)である。【試験対策】「社会通念上Aの金銭でCの利益をはかったと認められ、かつCが悪意・重過失のとき」に不当利得が成立、という定式。金銭の特殊性(占有=所有)を前提にしつつ衡平で調整する構造。
・C:不適切。Cが善意であれば(軽過失にとどまれば)不当利得は成立しない。悪意・重過失が要件である。

関連過去問:R7,問34


タイトルとURLをコピーしました