行政書士 民法 初級編(4〜6問)|債権各論(契約)

重要度:A 論点:敷金

問4:建物賃貸借終了時の敷金に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:賃借人は、敷金返還請求権をもって、建物明渡しとの同時履行を主張することができる
  • B:賃貸人は、賃貸借終了後、建物の返還を受けた後に、未払賃料等を控除した残額を返還すれば足りる
  • C:賃借人は、未払賃料があるときは、敷金をその弁済に充てるよう賃貸人に請求することができる
【第4問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。判例・622条の2により明渡しが先履行であり、敷金返還と明渡しは同時履行の関係に立たない。
・B:適切。敷金返還債務は「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき」に発生する(622条の2第1項1号)。【試験対策】「明渡し先履行」は記述式の定番。理由(明渡しまでの損害等も担保するため)とセットで。
・C:不適切。充当は賃貸人の側からはできるが、賃借人の側から充当を請求することはできない(622条の2第2項後段)。

関連過去問:R2,問33


重要度:A 論点:転貸借

問5:BはAから賃借している建物を、Aの承諾を得てCに転貸している。原賃貸借の終了と転借人Cの関係として適切なものはどれか。

  • A:AB間の賃貸借がBの賃料不払により解除された場合でも、AはCに対して建物の明渡しを請求できない
  • B:AB間の賃貸借が合意解除された場合、Aは原則としてその解除をCに対抗できない
  • C:Bの賃料不払を理由に解除する場合、Aは事前にCに対して賃料を支払う機会を与えなければならない
【第5問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。債務不履行解除の場合、賃貸人は転借人に対抗でき、明渡請求により転貸借は履行不能で終了する(判例)。
・B:適切。613条3項本文(判例法理の明文化)。転借人の利用は賃貸人の承諾に基づくのに、賃貸人と賃借人の合意だけで奪うのは不当だからである。【試験対策】「合意解除=対抗不可/債務不履行解除=対抗可」の対比が転貸借の最頻出。例外(解除当時、債務不履行解除権を有していた場合)まで。
・C:不適切。判例は、債務不履行解除にあたり転借人への通知や賃料支払の機会付与(催告)は不要とする。

関連過去問:R1,問32


重要度:A 論点:契約の成立・同時履行

問6:契約の成立および同時履行の抗弁権に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:双務契約の当事者の一方は、相手方が債務の履行を提供するまで、自己の債務の履行を拒むことができるが、相手方の債務が弁済期にないときはこの限りでない
  • B:契約は、申込みと承諾の意思表示が合致しても、契約書を作成しなければ成立しない
  • C:同時履行の抗弁権が付着した債務の債務者は、相手方が履行の提供をしなくても、履行期を過ぎれば履行遅滞の責任を負う
【第6問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。同時履行の抗弁権(533条)である。【試験対策】「先履行義務を負う場合は主張不可」というただし書と、抗弁権の存在効果(履行遅滞にならない・相殺の自働債権にできない)まで。
・B:不適切。契約は原則として意思表示の合致のみで成立する(諾成主義・522条)。書面が要求されるのは保証契約などの例外。
・C:不適切。同時履行の抗弁権が付着している間は、履行しないことが違法とならず、履行遅滞責任を負わない(存在効果説)。

関連過去問:R2,問32


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