重要度:A 論点:債務不履行の帰責事由
問1:AB間の売買契約で売主Aが目的物を引き渡せなくなった場合の損害賠償に関する記述として適切なものはどれか。
- A:買主Bが損害賠償を請求するには、Bの側でAに帰責事由があることを立証しなければならない
- B:履行不能が契約及び取引上の社会通念に照らしてAの責めに帰することができない事由によるものであるときは、Aは損害賠償責任を免れる
- C:契約成立時に既に履行が不能であった場合、契約は当然に無効であり、Bは損害賠償を請求する余地がない
【第1問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。帰責事由(免責事由)の立証責任は債務者A側にある。不法行為(被害者が過失を立証)との違いが頻出。
・B:適切。415条1項ただし書の免責事由構成である。【試験対策】改正後の条文は「帰責事由がなければ免責」という書き方。判断基準は「契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」という定型句ごと覚える。
・C:不適切。原始的不能でも契約は無効とならず、415条による損害賠償請求が可能である(412条の2第2項)。
関連過去問:H28,問33
重要度:A 論点:連帯債務の絶対効・相対効
問2:A・B・CはDに対して300万円の連帯債務を負っている(負担部分は各100万円)。この場合に関する記述として適切なものはどれか。
- A:DがAに対して履行を請求した場合、その効力はB・Cにも及び、全員について時効の完成が猶予される
- B:DがAに対して債務を免除した場合、B・Cの債務も当然に免除される
- C:AがDに対する300万円の反対債権で相殺した場合、B・Cの債務も消滅する
【第2問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。改正により履行の請求は相対的効力事由となった。Aへの請求はB・Cに効力を及ぼさない(別段の合意があれば絶対効可)。
・B:不適切。免除も相対的効力事由である。Aが免除されてもB・Cは全額の債務を負い続ける(求償関係で調整)。
・C:適切。相殺は弁済と同様に債権を満足させるため絶対的効力を有する(439条1項)。【試験対策】改正後の絶対効は「弁済等・更改・相殺・混同」の4つだけ。「請求・免除・時効完成」が相対効化されたのが改正の核心であり、旧法知識との入れ替えに最大の注意を要する。
関連過去問:R5,問30
重要度:A 論点:保証
問3:AのBに対する債務をCが保証する場合に関する記述として適切なものはどれか。
- A:保証契約は、債権者Bと保証人Cとの間の口頭の合意のみで有効に成立する
- B:Cが通常の保証人である場合、Cは催告の抗弁・検索の抗弁を主張することができる
- C:Cが連帯保証人である場合、BがいきなりCに請求してきても、Cは「まずAに催告せよ」と主張することができる
【第3問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。保証契約は書面(又は電磁的記録)でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)。
・B:適切。通常の保証には補充性があり、催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)が認められる。【試験対策】「連帯保証=催告検索の抗弁なし+分別の利益なし」の2つの『なし』で整理。
・C:不適切。連帯保証人には催告の抗弁・検索の抗弁がない(454条)。補充性がないことが連帯保証の最大の特徴である。
関連過去問:R6,問31
