行政書士 民法 初級編(13〜15問)|債権各論(契約)

重要度:B 論点:消費貸借

問13:消費貸借に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:金銭の消費貸借は、書面によらない場合、借主が金銭を受け取ることによって成立する要物契約である
  • B:利息の特約がない消費貸借において、貸主は当然に利息を請求することができる
  • C:返還時期の定めのない消費貸借では、貸主はいつでも直ちに返還を請求することができる
【第13問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。587条(要物契約としての消費貸借)である。【試験対策】「原則=要物/書面ですれば諾成(587条の2)」の二本立て。書面による消費貸借では、借主は目的物を受け取るまで契約を解除できるが、その解除によって貸主に損害が生じたときは、貸主は借主に対して損害賠償を請求できる(587条の2第2項)。
・B:不適切。貸主は特約がなければ利息を請求することができない(589条1項・無利息が原則)。
・C:不適切。返還時期の定めがないときは、貸主は「相当の期間を定めて」返還の催告をすることができる(591条1項)。借主が調達する時間的余裕への配慮。

関連過去問:R7,問33


重要度:A 論点:請負

問14:請負に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:請負人は、仕事の完成前であれば、いつでも自由に契約を解除することができる
  • B:請負人が仕事を完成しない間でも、注文者は、損害を賠償しなければ契約を解除することができない
  • C:仕事の目的物の引渡しを要する請負では、特約がない限り、報酬はその目的物の引渡しと同時に支払わなければならない
【第14問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。完成前の任意解除権を持つのは「注文者」であり、請負人には認められていない。
・B:不適切。注文者は仕事の完成前であればいつでも解除でき(641条)、損害賠償の提供は解除の要件ではない(解除に伴い賠償義務を負うにとどまる)。「賠償しなければ解除できない」という本肢は解除権の行使要件を誤っている。
・C:適切。633条本文である。物の引渡しを要しない請負では、同条ただし書により624条1項が準用され、請負人は仕事を完成した後でなければ報酬を請求できない。【試験対策】「仕事完成義務が先履行」「引渡しを要する場合は目的物引渡しと報酬支払が同時履行」「引渡しを要しない場合は仕事完成後に報酬請求」の3点を区別する。完成前の注文者の任意解除権(641条)も併せて整理する。

関連過去問:R2,問32


重要度:A 論点:委任の任意解除

問15:委任の解除に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:受任者の利益をも目的とする委任は、いかなる場合も解除することができない
  • B:委任の解除をした場合、その効力は契約の時に遡って生じる
  • C:委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる
【第15問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。受任者の利益をも目的とする委任であっても、委任者は契約を解除することができる。ただし、受任者の利益が専ら報酬を得ることによるものではなく、かつ、やむを得ない事由がない場合には、委任者は受任者に生じた損害を賠償しなければならない(651条2項2号)。
・B:不適切。委任の解除は将来に向かってのみ効力を生ずる(652条・620条準用)。継続的契約の解除の特徴。
・C:適切。委任は、各当事者がいつでも解除できる(651条1項)。ただし、①相手方に不利な時期に解除したとき、または②委任者が、受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したときは、やむを得ない事由がある場合を除き、解除した者は相手方の損害を賠償しなければならない(同条2項)。【試験対策】②の特則は「委任者」が解除する場合であることを明確に区別する。

関連過去問:R5,問33


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