重要度:A 論点:1条の要件
問1:国家賠償法1条1項の要件を述べよ。
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①国又は公共団体の公権力の行使にあたる公務員が、②その職務を行うについて、③故意又は過失によって、④違法に、⑤他人に損害を加えたこと。「公権力の行使」は、国・公共団体の作用のうち純粋な私経済作用と2条の営造物の設置管理作用を除くすべてを含む(広義説・通説判例)。公立学校での教育活動や行政指導も含まれる。
関連過去問:H29,問20
重要度:A 論点:職務を行うについて
問2:「職務を行うについて」の判断基準に関する判例の立場を述べよ。
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客観的に職務執行の外形を備える行為であれば、公務員が自己の利をはかる意図(主観)で行った場合でも「職務を行うについて」にあたる(外形標準説)。非番の警察官が制服を着用して行った強盗殺人につき国の賠償責任を認めた判例(最判昭31.11.30)が代表例。
関連過去問:R7,問20
重要度:A 論点:公務員個人の責任と求償
問3:被害者は加害公務員個人に対して直接賠償請求できるか。また国から公務員への求償について述べよ。
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判例は、公務員個人は被害者に対して直接責任を負わないとする(最判昭30.4.19)。賠償責任を負うのは国又は公共団体であり、公務員に故意又は重大な過失があったときに限り、国又は公共団体はその公務員に対して求償権を有する(1条2項)。軽過失の場合は求償できない。
関連過去問:R7,問21
重要度:A 論点:規制権限の不行使
問4:行政の規制権限の不行使が国賠法上違法となる場合について判例の立場を述べよ。
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規制権限の不行使は、その権限を定めた法令の趣旨・目的や権限の性質等に照らし、具体的事情の下において、権限の不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは、被害を受けた者との関係で国賠法1条1項の適用上違法となる(宅建業者監督権限不行使・最判平1.11.24、筑豊じん肺訴訟・最判平16.4.27、水俣病関西訴訟・最判平16.10.15)。じん肺・水俣病では不行使が違法とされた。
関連過去問:-
重要度:A 論点:立法行為と国賠
問5:国会議員の立法行為・立法不作為が国賠法上違法となる場合について判例の立場を述べよ。
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立法の内容が違憲であることと、立法行為が国賠法上違法であることは区別される(職務行為基準)。在宅投票制廃止事件(最判昭60.11.21)は、立法行為は立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらずあえて立法を行うような容易に想定し難い例外的場合でない限り違法とならないとした。在外邦人選挙権訴訟(最大判平17.9.14)は、国民の権利行使の機会確保のための立法措置が必要不可欠かつ明白であるのに国会が正当な理由なく長期にわたり怠った場合には違法となるとし、賠償を認容した。
関連過去問:H29,問20
