行政書士 行政法 一問一答(6〜10問)|国家賠償法損失補償

重要度:B 論点:司法作用と国賠

問6:裁判官の裁判行為について国家賠償責任が認められるのはどのような場合か。

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裁判官がした争訟の裁判については、上訴等の訴訟法上の救済方法により是正されるべきものであり、裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情がある場合に限り、国賠法1条1項の違法となる(最判昭57.3.12)。再審で無罪が確定しても、当然に有罪判決やその前提となった逮捕・勾留・公訴提起が違法となるわけではない。

関連過去問:H29,問20


重要度:B 論点:1条の「違法」の判断

問7:国賠法1条の「違法」に関する職務行為基準説の内容を判例に即して述べよ。

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処分が結果的に取り消された(客観的に違法であった)としても直ちに国賠法上違法となるのではなく、公務員が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くしたかどうかを基準に判断する(職務行為基準説)。税務署長が資料を収集し合理的に課税要件を認定して行った課税処分は、後に取り消されても違法とならない(奈良税務署推計課税事件・最判平5.3.11)。取消訴訟の違法と国賠の違法が食い違いうる(違法性相対説的帰結)点がポイント。

関連過去問:R7,問20


重要度:A 論点:2条の要件

問8:国家賠償法2条の要件と責任の性質を述べよ。

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道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体が賠償責任を負う。「公の営造物」は国・公共団体により直接公の目的に供される有体物(人工公物・自然公物、動産も含む)。「瑕疵」とは営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、過失の存在を要しない無過失責任である(高知落石事件・最判昭45.8.20)。

関連過去問:R1,問21


重要度:A 論点:道路の管理瑕疵

問9:道路の設置管理の瑕疵に関する判例の結論を3つ述べよ。

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①高知落石事件:防護柵設置の予算措置が困難であることは免責事由とならない(予算抗弁の排斥)。②87時間放置事件(最判昭50.7.25):故障した大型トラックが国道上に87時間放置されていたのに何ら措置を講じなかったことは管理の瑕疵にあたる。③赤色灯転倒事件(最判昭50.6.26):他車が直前に工事標識・赤色灯を倒し、時間的に遅滞なく原状に復す措置をとる余裕がなかった場合は管理に瑕疵がない。回避可能性(時間的余裕)の有無が結論を分ける。

関連過去問:R1,問21


重要度:A 論点:河川の管理瑕疵

問10:河川管理の瑕疵に関する判例(大東水害訴訟)の立場を述べよ。

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河川は本来自然発生的な公共用物であり、道路のような人工公物と異なり、管理には財政的・技術的・社会的諸制約が内在する。未改修河川又は改修の不十分な河川の安全性は、これらの制約の下で一般に施行されてきた治水事業による改修等の過程に対応する過渡的な安全性をもって足りる(大東水害訴訟・最判昭59.1.26)。改修済み河川については、改修時の計画に基づく規模の洪水における流水の通常の作用から予測される災害の発生を防止するに足りる安全性を要する(多摩川水害訴訟・最判平2.12.13)。

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