問5:処分性に関する次のア〜オの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、処分性が否定されたものの組合せとして妥当なものはどれか。
ア 都市計画法に基づく用途地域の指定
イ 医療法に基づく病院開設中止の勧告
ウ 墓地埋葬法に関する通達
エ 土地区画整理事業の事業計画の決定
オ 国有普通財産の払下げ
- A:ア・イ・ウ
- B:ア・ウ・オ
- C:イ・ウ・エ
- D:イ・エ・オ
- E:ウ・エ・オ
【第5問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】
本肢はイを含む点で妥当でない。イ:病院開設中止勧告は、勧告に従わない場合に保険医療機関の指定を受けられなくなる仕組みに照らし処分性が肯定された(最判平17.7.15)。
・B
【論点】処分性の肯定例・否定例の判例仕分け
【考え方】
ア:不特定多数者への一般的抽象的制約にとどまり否定(最判昭57.4.22)。
イ:仕組み解釈により肯定。
ウ:行政組織内部の命令にすぎず否定(墓地埋葬通達事件)。
エ:最大判平20.9.10の判例変更により肯定。
オ:私法上の売買にすぎず否定。
【選択肢解説】
否定されたのはア・ウ・オであり、本肢が正解である。
・C
【選択肢解説】
本肢はイ・エを含む点で妥当でない。いずれも処分性が肯定された判例である。
・D
【選択肢解説】
本肢はイ・エを含む点で妥当でない。エの土地区画整理事業計画は判例変更(青写真判決の変更)により処分性が肯定された。
・E
【選択肢解説】
本肢はエを含む点で妥当でない(ウ・オは否定例で正しい)。
関連過去問:R4,問18
問6:仮の救済に関する次の記述のうち、行政事件訴訟法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。
- A:処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
- B:処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない。
- C:執行停止は、本案訴訟が係属していなくても、単独で申し立てることができる。
- D:義務付けの訴えの提起があった場合において、一定の要件を満たすときは、裁判所は仮の義務付けを命ずることができる。
- E:仮の義務付け及び仮の差止めには、「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要」があることが要件とされており、執行停止の「重大な損害」よりも厳格である。
【第6問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。執行不停止の原則(25条1項)である。
・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。25条2項ただし書(効力停止の補充性)である。
・C
【論点】執行停止の付随性(25条2項)
【考え方】
執行停止は「処分の取消しの訴えの提起があった場合」に申し立てることができる付随的な仮の救済であり、本案訴訟の係属が前提となる。民事保全のように本案提起前に単独で申し立てることはできない(行訴法44条により民事保全法の仮処分も排除される)。
【選択肢解説】
本肢は単独申立てを可能としており妥当でない。よって本問の正解である。
・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。仮の義務付け(37条の5第1項)である。保育所入所の仮の義務付けなどの活用例がある。
・E
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。仮の義務付け及び仮の差止めは、行政庁に暫定的な作為又は不作為を命ずる強力な仮の救済であるため、いずれも「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要」があり、かつ、本案について理由があるとみえることが必要である(行政事件訴訟法37条の5第1項・第2項)。執行停止の積極要件である「重大な損害を避けるため緊急の必要」より厳格である。
関連過去問:R5,問18
