行政書士 行政法 一問一答(26〜30問)|行政法総論

重要度:A 論点:行政指導と限界

問26:行政指導の性質と、建築確認の留保に関する判例(品川マンション事件)の立場を述べよ。

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行政指導は、行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内で一定の行政目的を実現するため、相手方の任意の協力を求めて行う非権力的な働きかけであり、相手方の任意性を損なう強制にわたってはならない。品川マンション事件(最判昭60.7.16)は、建築主が行政指導に任意に協力している間は、社会通念上合理的と認められる期間、建築確認処分を留保しても直ちに違法とはならないとする一方、建築主が、処分を留保されたままでは行政指導に協力できない旨を真摯かつ明確に表明し、確認申請に対して直ちに応答するよう求めたと認められる場合には、その不協力が社会通念上正義の観念に反するといえる特段の事情がない限り、それ以後、行政指導が続いていることを理由に確認処分を留保することは違法になるとした。

関連過去問:-


重要度:B 論点:行政指導と給水拒否等

問27:行政指導に従わない者への制裁的取扱いに関する判例を述べよ。

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武蔵野マンション事件では、教育施設負担金の納付を求める行政指導について、任意性を損なう強制にわたる場合は違法となり、負担金の納付が事実上義務づけられていたとして国家賠償責任が認められた(最判平5.2.18)。また指導要綱に従わないことを理由とする水道の給水拒否は、水道法上の「正当の理由」にあたらず許されない(最決平1.11.8・刑事事件)。

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重要度:A 論点:行政上の強制執行の種類

問28:行政上の強制執行の4類型を挙げ、それぞれに法律の根拠が必要かを述べよ。

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①代執行(代替的作為義務の不履行に対し行政庁が自ら又は第三者に行わせ費用を徴収。一般法として行政代執行法)、②執行罰(不作為義務・非代替的作為義務の不履行に過料を課して間接強制。現行法では砂防法36条のみ)、③直接強制(義務者の身体・財産に直接実力を加える。個別法にわずかに存在)、④強制徴収(金銭債務の強制的実現。国税徴収法・国税通則法等)。いずれも権力的作用であり法律の根拠が必要。条例を根拠に代執行以外の強制執行手段を創設することはできない。

関連過去問:H29,問10


重要度:A 論点:代執行の要件と手続

問29:行政代執行の要件と手続を述べよ。

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要件:①法律(法律の委任に基づく命令・規則・条例を含む)により直接命ぜられ、又は法律に基づく行政庁の命令による代替的作為義務の不履行、②他の手段によって履行を確保することが困難、③不履行の放置が著しく公益に反すること(行政代執行法2条)。手続:相当の履行期限を定めた戒告(文書)→代執行令書による通知→代執行の実行→費用の徴収(国税滞納処分の例により強制徴収可能)。非常・危険切迫の場合は戒告・通知を省略できる。

関連過去問:H30,問8


重要度:A 論点:執行罰・直接強制

問30:執行罰の特徴を行政罰と対比して述べよ。

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執行罰は、将来に向けて義務の履行を強制する手段であり、過去の義務違反に対する制裁である行政罰とは異なる。したがって、義務が履行されるまで反復して課すことができ、行政罰との併科も可能である。現行法上の例としては砂防法36条がある。直接強制は、義務者の身体又は財産に直接実力を加えて義務の内容を実現する手段であり、人権侵害の危険が大きいため、「学校施設の確保に関する政令」や「成田国際空港の安全確保に関する緊急措置法」など、個別の法令に限定的に認められている。

関連過去問:H29,問10


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