重要度:A 論点:即時強制
問31:即時強制の意義と強制執行との違いを述べよ。
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即時強制は、あらかじめ義務を命じる時間的余裕がない場合、又は義務を命じることによっては行政目的を達成できない場合に、相手方に義務を課すことなく、直接その身体又は財産に実力を加える作用である。義務の存在とその不履行を前提とする行政上の強制執行とは区別される。例として、消防法上の破壊消防、違法駐車車両の移動、精神保健福祉法上の措置入院などが挙げられる。感染症法上の入院措置については、即時強制に分類する見解がある一方、直接強制に分類する見解もあり、講学上の位置付けには決着がついていない。即時強制は権力的作用であるため、法律又は条例の根拠を要する。
関連過去問:R3,問42(多肢)
重要度:A 論点:行政上の義務の民事執行
問32:行政上の義務の履行を民事訴訟・民事執行によって求めることはできるか。
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宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)は、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対し行政上の義務の履行を求める訴訟は、法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とするものであって法律上の争訟にあたらず、特別の規定もないため不適法とした。行政的執行手段が用意されていない義務でも民事執行への逃げ道はない、という帰結が重要。財産権の主体として権利を主張する場合(未払金請求等)は法律上の争訟にあたる。
関連過去問:-
重要度:A 論点:行政刑罰と秩序罰
問33:行政刑罰と秩序罰(過料)の違いを述べよ。両者の併科は可能か。
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行政刑罰は、行政上の義務違反に対して科される、刑法に刑名のある刑罰であり、拘禁刑、罰金、拘留、科料などがある。原則として刑法総則および刑事訴訟法が適用される。秩序罰は、届出義務違反など行政上の秩序を乱す軽微な義務違反に対して科される過料であり、刑罰ではないため、原則として刑法総則および刑事訴訟法は適用されない。国の法令に基づく過料は、他の法令に特別の定めがある場合を除き、非訟事件手続法により裁判所が科す。地方自治法に基づき条例又は規則に定められた過料は、地方公共団体の長が行政処分として科す。行政刑罰と行政上の制裁を同一の行為について科すことが直ちに憲法39条の二重処罰となるわけではないが、併科の可否は各根拠法令の趣旨による。判例は、追徴税(現在の加算税に相当する行政上の措置)と罰金の併科は憲法39条に違反しないとした(最大判昭33.4.30)。この追徴税は秩序罰としての過料とは異なる行政上の措置である点に注意する。
関連過去問:R3,問42(多肢)
重要度:A 論点:行政調査
問34:行政調査に関する判例の立場を述べよ。
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川崎民商事件(最大判昭47.11.22):憲法35条・38条の保障は行政手続にも及びうるが、旧所得税法の質問検査は刑事責任追及を直接の目的とせず強制の程度も間接的であるため、令状なしでも合憲。荒川民商事件(最決昭48.7.10):質問検査の実施の日時場所の事前通知や理由の個別的告知は法律上の要件とされていない。所得税の調査で取得した資料を犯則事件の証拠とすることも直ちに違法ではない(最判昭63.3.31)。
関連過去問:H28,問42(多肢)
重要度:B 論点:警察活動と任意手段
問35:自動車の一斉検問の適法性に関する判例の立場を述べよ。
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警察法2条1項の交通の取締りを根拠に、交通取締りの一環として短時間の停止を求める相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車利用者の自由を不当に制約しない方法・態様で行われる限り、適法である(最決昭55.9.22)。任意手段としての限界(実力行使の可否)は警職法の職務質問・所持品検査の判例(米子銀行強盗事件等)とあわせて理解する。
関連過去問:-
