行政書士 行政法 一問一答(11〜15問)|国家賠償法損失補償

重要度:A 論点:機能的瑕疵(供用関連瑕疵)

問11:営造物の「機能的瑕疵」とは何か。判例とともに述べよ。

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営造物自体に物理的欠陥がなくても、営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において周辺住民等の第三者に危害を生ぜしめる危険性がある場合をいう。大阪空港訴訟(最大判昭56.12.16)は航空機騒音等による周辺住民の被害について、国道43号線訴訟(最判平7.7.7)は道路供用に伴う騒音・排気ガスによる沿道住民の被害について、それぞれ設置管理の瑕疵を認めた。利用者以外の第三者との関係でも瑕疵が成立する点が重要。

関連過去問:R4,問21


重要度:A 論点:費用負担者の責任

問12:国賠法3条の内容を述べよ。

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公務員の選任若しくは監督に当たる者又は公の営造物の設置若しくは管理に当たる者と、公務員の俸給・給与その他の費用又は営造物の設置・管理の費用を負担する者とが異なるときは、費用負担者も損害賠償責任を負う(3条1項)。被害者は双方のいずれに対しても請求できる。判例は、営造物の設置費用について法律上の負担義務を負う者のほか、その者と同等又はこれに近い設置費用を負担し、実質的にその者と事業を共同して執行していると認められ、かつ、営造物の瑕疵による危険を効果的に防止し得る者も費用負担者に含まれるとする。他方、設置者に費用を単に贈与したにすぎない者は含まれない(最判昭50.11.28)。内部関係では、損害を賠償した者は、その損害を賠償する責任のある者に求償できる(同条2項)。市町村立中学校の教員の給与を負担する都道府県が賠償した場合、都道府県は、学校設置者である市町村に賠償額の全額を求償できる(最判平21.10.23)。

関連過去問:R7,問21


重要度:B 論点:民法・他の法律の適用

問13:国家賠償法4条・5条の内容を述べよ。失火の場合はどうなるか。

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国又は公共団体の損害賠償責任については、国家賠償法1条から3条までの規定によるほか、民法の規定が補充的に適用される(4条)。民法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めによる(5条)。判例は、失火責任法は4条にいう「民法」に含まれ、公務員の失火による国又は公共団体の損害賠償責任にも適用されるとする。消防署職員の消火活動が不十分で残り火が再燃した場合も失火責任法にいう「失火」に当たり、国又は公共団体が責任を負うには公務員に重大な過失があることを要する(最判昭53.7.17)。

関連過去問:R7,問21


重要度:B 論点:相互保証主義

問14:外国人が被害者である場合の国家賠償について述べよ。

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国家賠償法は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り適用される(6条・相互保証主義)。被害者の本国において日本人が国家賠償を受けられる制度があれば足りると解されている。

関連過去問:-


重要度:A 論点:損失補償の要件と根拠

問15:損失補償が必要となる場合の判断基準と、補償規定を欠く法令の扱いを述べよ。

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適法な公権力の行使によって財産上の特別の犠牲を課された者に対しては、全体的な公平負担の見地から損失補償を要する(憲法29条3項)。特別の犠牲に当たるかは、侵害の対象が特定の者又は限定された範囲の者であるかという形式的基準と、侵害が財産権の本質的内容を害するほど強度であるかという実質的基準を総合して判断する。補償規定を欠く法令も、そのことだけで直ちに違憲・無効となるわけではなく、補償を要する特別の犠牲が具体的に生じた場合には、憲法29条3項を直接の根拠として補償を請求する余地がある(河川附近地制限令事件・最大判昭43.11.27)。国家賠償法1条は、公務員が故意又は過失によって違法に損害を加えたことを要件とする一方、同法2条は、公の営造物の設置又は管理の瑕疵を要件とし、管理者の故意・過失を必要としない。したがって、国家賠償一般を「違法・過失」、損失補償を「適法・無過失」と単純に対比してはならない。

関連過去問:R4,問43(多肢)


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