重要度:A 論点:勧告・条例の処分性の理由づけ
問6:行政指導や条例制定行為という形式にもかかわらず処分性が肯定された理由を述べよ。
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病院開設中止勧告:勧告自体は行政指導だが、これに従わない場合には相当程度の確実さをもって保険医療機関の指定を受けられなくなるという結果をもたらし、実際上病院開設を断念せざるを得なくなるという仕組みを法体系全体から読み取り、処分性を肯定した。保育所廃止条例:一般的規範の定立である条例も、特定の保育所の廃止のみを内容とし、入所児童・保護者という限られた特定の者の法的地位を直接に奪う点で、処分と実質的に同視でき、取消判決の第三者効による画一的救済が合理的であることも考慮された。形式ではなく実質・仕組みで判断する現代判例の傾向を示す。
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重要度:A 論点:原告適格の意義
問7:取消訴訟の原告適格に関する9条1項の規律と判例の基本的立場を述べよ。
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取消訴訟は、処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」に限り提起できる(9条1項)。判例は、処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうとし(法律上保護された利益説)、処分の根拠法規が不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、個々人の個別的利益としても保護する趣旨を含むかで判断する。
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重要度:A 論点:9条2項の考慮事項
問8:処分の相手方以外の者の原告適格を判断する際の考慮事項(9条2項)を述べよ。
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①当該法令の趣旨及び目的(目的を共通にする関係法令の趣旨・目的も参酌)、②当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質(処分が根拠法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容・性質、害される態様・程度も勘案)。平成16年改正(平成17年4月1日施行)により、従来の判例・議論を踏まえてこれらの考慮事項が9条2項に明文化された。その後、小田急高架化訴訟大法廷判決(最大判平17.12.7)は、改正後の9条2項を適用して原告適格を判断した。
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重要度:A 論点:原告適格を肯定した判例
問9:処分の相手方以外の第三者に原告適格が肯定された判例を3つ挙げよ。
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①都市計画事業認可に対する事業地周辺住民(小田急高架化訴訟・最大判平17.12.7・騒音、振動等により健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者)、②原子炉設置許可に対する周辺住民(もんじゅ訴訟・最判平4.9.22)、③定期航空運送事業免許に対する空港周辺住民(新潟空港訴訟・最判平1.2.17・当該免許に係る路線を航行する航空機の騒音によって社会通念上著しい障害を受けることとなる者)。ほかに、公衆浴場営業許可や一般廃棄物処理業許可に対する既存業者も、根拠法令がその営業上の利益を個別的利益として保護する場合の肯定例である。
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重要度:A 論点:原告適格を否定した判例
問10:原告適格が否定された判例を3つ挙げよ。
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①果汁表示の公正競争規約認定に対する一般消費者(主婦連ジュース事件・最判昭53.3.14)、②特急料金改定認可に対する通勤利用者(近鉄特急事件・最判平1.4.13)、③場外車券発売施設設置許可に対する一般の周辺住民、医療施設等以外の周辺事業者および医療施設等の利用者(サテライト大阪事件・最判平21.10.15)。同判決は、位置基準が保護する医療施設等の開設者については、施設の設置・運営に伴い著しい業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認められる区域に所在する場合に原告適格を認め得るとし、約800メートル離れた医療施設開設者の原告適格を否定する一方、約120メートルないし200メートル離れた医療施設等の開設者3名については更に審理を尽くさせるため差し戻した。単なる事実上の利益または一般的公益にとどまる場合は、原告適格が否定される。
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