行政書士 行政法 初級編(10〜12問)|行政事件訴訟法

重要度:A 論点:事情判決

問10:事情判決(行訴法31条)に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:事情判決は、処分が適法である場合に請求を棄却する通常の棄却判決と同じものである
  • B:事情判決がされた場合、原告は損害賠償を請求することができなくなる
  • C:事情判決は、処分が違法である場合に、公共の福祉との調整から請求を棄却する判決であり、主文で処分の違法を宣言する
【第10問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。事情判決は処分が「違法」であることを前提とする点で通常の棄却判決と本質的に異なる。
・B:不適切。違法の宣言はむしろ後の国家賠償請求等に活用できる。賠償請求は妨げられない。
・C:適切。「棄却+主文での違法宣言」という特殊な構造である。【試験対策】議員定数不均衡訴訟で「事情判決の法理」として援用されたことも憲法との横断で頻出。行審法の事情裁決(違法又は不当)との対比も。

関連過去問:-


重要度:A 論点:取消判決の効力

問11:取消判決の効力に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:取消判決が確定すると、処分の効力は行政庁による取消しを待たずに、処分時に遡って消滅する
  • B:取消判決の効力は、訴訟当事者である原告と被告の間にのみ及ぶ
  • C:申請拒否処分が取り消された場合でも、処分庁は改めて申請に対する処分をする義務を負わない
【第11問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。形成力(遡及的消滅)である。【試験対策】取消判決の3効力=「形成力(+32条の第三者効)・拘束力(33条)・既判力」。第三者効があるからこそ第三者の訴訟参加・再審の訴えが用意される、という制度の連関で覚える。
・B:不適切。取消判決は第三者に対しても効力を有する(32条1項・対世効)。
・C:不適切。拘束力(33条2項)により、処分庁は判決の趣旨に従い改めて申請に対する処分をしなければならない。

関連過去問:H30,問17


重要度:A 論点:無効等確認訴訟・不作為の違法確認訴訟

問12:無効等確認訴訟および不作為の違法確認訴訟に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:不作為の違法確認訴訟で認容判決が確定すると、行政庁は申請を認容する処分をする義務を負う
  • B:無効の主張は、処分の無効を前提とする民事訴訟の中で行うことはできず、必ず無効等確認訴訟によらなければならない
  • C:無効等確認の訴えには出訴期間の制限がなく、処分の無効を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができない場合等に提起できる
【第12問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。認容判決の拘束力により行政庁は何らかの応答(処分)をすべき義務を負うが、申請認容処分をする義務までは生じない(拒否処分も可能)。この救済の限界が申請型義務付け訴訟の存在理由である。
・B:不適切。無効な処分には公定力がないため、現在の法律関係に関する訴え(民事訴訟等)の中で無効を前提とした主張をすることができる(争点訴訟)。
・C:適切。出訴期間なし+補充性(36条)である。【試験対策】無効=公定力・不可争力が生じないため「時機に遅れた救済の受け皿」。もんじゅ判例(より直截的で適切な争訟形態か)まで押さえると応用に対応できる。

関連過去問:R5,問43(多肢)


タイトルとURLをコピーしました