重要度:A 論点:法律による行政の原理
問7:「法律の留保」に関する記述として適切なものはどれか。
- A:侵害留保説によれば、国民の権利を制限し又は義務を課す行政活動には法律の根拠が必要である
- B:法律の留保とは、行政活動が法律に違反してはならないという原則をいう
- C:侵害留保説によれば、補助金の交付などの給付行政にも常に法律の根拠が必要である
【第7問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。侵害留保説(実務・通説)の内容である。【試験対策】「法律の法規創造力・法律の優位・法律の留保」の3原則の区別と、留保の範囲をめぐる学説(侵害留保・全部留保・権力留保等)の対比が問われる。
・B:不適切。これは「法律の優位」の説明である。優位はすべての行政活動に妥当し、留保は「根拠が必要な範囲」の問題という違いがある。
・C:不適切。侵害留保説によれば、補助金交付などの給付行政に個別の作用法上の根拠が常に必要とされるわけではない。ただし、給付行政も予算上の根拠、組織法上の権限、平等原則その他の法的制約に服するため、「予算があれば常に可能」という意味ではない。給付行政を含むすべての行政活動に法律の根拠を要求するのは全部留保説である。
関連過去問:-
重要度:A 論点:信義則と計画変更
問8:宜野座村工場誘致事件(最判昭56.1.27)に関する記述として適切なものはどれか。
- A:地方公共団体の施策の変更は住民自治の表れであるから、変更により個人が損害を被っても、損害賠償責任が生じることはない
- B:施策の変更自体は許されるが、勧誘・誘致を信頼して活動した者に対し、代償的措置なくして変更により社会観念上看過できない損害を与えることは、不法行為責任を生じうる
- C:地方公共団体は、一度決定した施策を変更することが一切できない
【第8問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。判例は施策変更の自由を前提としつつ、信頼保護との調整を図った。責任が「生じることはない」という全称が誤り。
・B:適切。判例の判断枠組みである。【試験対策】「変更は自由・ただし信頼を裏切る態様なら賠償責任」という二段構造。計画変更と信頼保護の代表判例として、租税と信義則(特別の事情が必要)とセットで覚える。
・C:不適切。施策の変更自体は地方公共団体の裁量に属し、禁止されるわけではない。
関連過去問:R6,問10
重要度:A 論点:行政機関の分類
問9:行政機関の分類に関する記述として適切なものはどれか。
- A:諮問機関の答申は、行政庁を法的に拘束する
- B:参与機関の議決は、行政庁を法的に拘束する
- C:行政庁とは、行政主体の内部で行政庁を補助する機関をいう
【第9問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。諮問機関の答申に法的拘束力はない(尊重されるべきではあるが)。
・B:適切。参与機関(電波監理審議会等)の議決は行政庁を拘束する。【試験対策】「諮問=拘束しない/参与=拘束する」の一点対比が最頻出。答申を無視した処分も当然に違法とはならないが、参与機関の議決を経ない処分は違法となる。
・C:不適切。これは補助機関(副知事・職員等)の説明である。行政庁は行政主体の意思を決定し外部に表示する機関(大臣・知事等)。
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