重要度:A 論点:直接請求の要件
問1:直接請求に関する記述として適切なものはどれか。
- A:条例の制定改廃請求には、有権者の3分の1以上の署名が必要である
- B:議員・長の解職請求には、法所定の数以上の選挙権者の署名が必要であり、その基礎となる選挙権者総数が40万人以下の場合は3分の1以上、40万人を超える場合は段階的に署名要件が緩和され、請求成立後は住民投票により決する
- C:事務監査請求には、有権者の50分の1以上の署名が必要であり、請求先は長である
【第1問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。条例の制定改廃請求には、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の連署が必要である(74条1項)。なお、「人の進退に関する直接請求は常に3分の1」と覚えるのは不正確であり、議員・長の解職請求等では、選挙権者総数が40万人を超える場合に署名要件を段階的に緩和する特例がある。
・B:適切。議員・長の解職請求には法所定の数以上の選挙権者の連署が必要であり、選挙権者総数が40万人以下の場合は3分の1以上である。40万人を超え80万人以下の場合は、40万人を超える数の6分の1と40万人の3分の1を合算した数、80万人を超える場合は、80万人を超える数の8分の1、40万人の6分の1および40万人の3分の1を合算した数となる。請求成立後は住民投票に付される。【試験対策】「原則3分の1」だけでなく、40万人・80万人を境とする段階的緩和まで確認する。
・C:不適切。署名数は正しいが、事務監査請求の請求先は監査委員である。
関連過去問:R5,問23
重要度:A 論点:住民監査請求と事務監査請求
問2:住民監査請求(242条)に関する記述として適切なものはどれか。
- A:住民監査請求は、有権者の50分の1以上の署名を集めて行わなければならない
- B:住民監査請求の対象は、地方公共団体の事務の全般に及ぶ
- C:住民監査請求は住民1人でも行うことができ、対象は地方自治法242条所定の財務会計上の行為または怠る事実に限られる
【第2問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。署名要件があるのは直接請求としての事務監査請求である。住民監査請求に署名要件はない。
・B:不適切。普通地方公共団体の事務全般を対象とするのは、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の連署による事務監査請求である。住民監査請求の対象は、違法または不当な公金の支出、財産の取得・管理・処分、契約の締結・履行、債務その他の義務の負担等の財務会計上の行為と、公金の賦課・徴収または財産の管理を怠る事実に限られる。
・C:適切。住民監査請求は、普通地方公共団体の住民であれば1人でも行うことができ、直接請求のような署名要件はない。対象は、地方自治法242条1項所定の財務会計上の行為または怠る事実であり、財務会計上の行為には、その行為が行われることが相当の確実さをもって予測される場合も含まれる。【試験対策】「住民監査請求=住民1人・財務会計上の行為等・住民訴訟への入口/事務監査請求=50分の1・事務全般・住民訴訟には直結しない」と区別する。
関連過去問:R4,問23/R2,問24
重要度:A 論点:住民訴訟
問3:住民訴訟に関する記述として適切なものはどれか。
- A:住民訴訟は、住民監査請求を経ることなく直ちに提起することができる
- B:住民訴訟を提起できるのは、監査請求をした住民であり、出訴期間は監査結果の通知等から30日以内である
- C:住民訴訟の4号請求では、住民が地方公共団体に代位して、直接、職員個人に損害賠償を請求する
【第3問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。監査請求前置主義が採られている(242条の2第1項)。
・B:適切。「監査請求をした住民」+「30日(不変期間)」である。【試験対策】選挙権の有無を問わず「住民」であればよいが、監査請求を経た者に限る。30日という短い期間も頻出。
・C:不適切。2002年改正後の4号請求は、執行機関等に対して「賠償請求をすることを求める」義務付け型であり、住民が直接職員個人を被告とする代位訴訟ではない。
関連過去問:R4,問23/R2,問24
