問3:普通地方公共団体の議会と長に関する次の記述のうち、地方自治法の規定に照らし、妥当なものはどれか。
- A:議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行うため、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができ、正当な理由なくこれを拒んだ者に対しては罰則の適用がある。
- B:議会の議決について異議のある長は、その議決の日から30日以内であれば、いつでも再議に付すことができる。
- C:条例の制定に関する議決について再議に付された場合、議会において出席議員の過半数の者の同意により再び同じ議決がされれば、その議決は確定する。
- D:議会が長の不信任を議決した場合、長は直ちに失職する。
- E:長の専決処分(179条)について議会の承認が得られなかった場合、当該処分は遡って効力を失う。
【第3問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】100条調査権
【考え方】
議会の100条調査権は、出頭・証言・記録提出の請求権と罰則による担保を備えた強力な調査権限であり、国会の国政調査権(罰則は議院証言法による)と並ぶ議会統制の中核である。
【選択肢解説】
本肢は100条のとおりであり、妥当である。
・B
【選択肢解説】
妥当でない。一般的拒否権としての再議は、議決の送付を受けた日から10日以内に理由を示して行う(176条1項)。
・C
【選択肢解説】
妥当でない。条例・予算に関する再議決には、出席議員の3分の2以上の同意が必要である(176条3項)。過半数では確定しない。
・D
【選択肢解説】
妥当でない。長は通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができ、解散しない場合に失職する(178条)。「直ちに失職」ではなく解散の選択権がある。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。承認が得られなくても専決処分の法的効力に影響はない(長の政治責任の問題となる。条例・予算については必要な措置を講じ報告する義務が課される)。
関連過去問:R3,問24/R7,問23
問4:公の施設および国と地方公共団体の関係に関する次の記述のうち、地方自治法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。
- A:普通地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならず、住民の利用について不当な差別的取扱いをしてはならない。
- B:普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、法人その他の団体を指定して公の施設の管理を行わせることができ、民間企業を指定管理者とすることもできる。
- C:普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、国の関与を受けることはない。
- D:国の関与に不服がある普通地方公共団体の長は、国地方係争処理委員会に審査の申出をすることができ、その審査の結果等に不服があるときは、高等裁判所に訴えを提起することができる。
- E:自治事務に関する国の是正の要求を受けた普通地方公共団体は、これに応じて措置を講ずるか否かについて完全な自由を有し、何らの法的義務も負わない。
【第4問:正解と解説】
正解:E
・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。244条2項・3項のとおり。
・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。指定管理者制度(244条の2第3項)のとおり。株式会社等の民間企業も指定できる。
・C
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。関与の法定主義(245条の2)である。
・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。250条の13・251条の5のとおり。ふるさと納税不指定事件はこの訴訟で争われた。
・E
【論点】是正の要求の法的効果(245条の5)
【考え方】
是正の要求を受けた地方公共団体は、違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべき法的義務を負う(どのような措置を講ずるかについては裁量がある)。「勧告」(法的義務なし)との効果の違いが関与の類型論の核心である。
【選択肢解説】
本肢は何らの法的義務も負わないとしており妥当でない。よって本問の正解である。
関連過去問:R3,問22/R7,問24
