行政書士 行政法 応用編(5〜6問)|行政手続法

問5:意見公募手続に関する次の記述のうち、行政手続法の規定に照らし、妥当なものはどれか。

  • A:意見公募手続の対象となる「命令等」には、法律に基づく命令のほか、審査基準、処分基準および行政指導指針が含まれる。
  • B:意見の提出期間は、命令等の案の公示の日から起算して14日以上でなければならない。
  • C:命令等制定機関は、提出された意見のうち多数を占めるものに従って命令等を定めなければならない。
  • D:命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合であっても、提出意見やそれを考慮した結果を公示する必要はない。
  • E:公益上、緊急に命令等を定める必要がある場合であっても、意見公募手続を省略することは許されない。
【第5問:正解と解説】

正解:A

・A
【論点】命令等の範囲(2条8号)

【考え方】
意見公募手続の対象は、法規命令だけでなく、審査基準・処分基準・行政指導指針という行政規則にも及ぶ。国民の権利義務に事実上大きな影響を与える行政基準について、策定過程への国民参加と透明性を確保する趣旨である。

【選択肢解説】
本肢は妥当である。

・B
【選択肢解説】
妥当でない。意見提出期間は公示の日から起算して「30日以上」が原則である(39条3項)。

・C
【選択肢解説】
妥当でない。提出意見を「十分に考慮」する義務はあるが(42条)、多数意見に従う義務はない。パブリックコメントは多数決ではない。

・D
【選択肢解説】
妥当でない。命令等を定めたときは、提出意見(又はその概要)、提出意見を考慮した結果及びその理由等を公示しなければならない(43条1項)。

・E
【選択肢解説】
妥当でない。公益上、緊急に命令等を定める必要がある場合は意見公募手続を省略できる(39条4項1号)。

関連過去問:H30,問13


問6:行政指導に関する次の記述のうち、行政手続法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。

  • A:行政指導に携わる者は、その相手方に対し、当該行政指導の趣旨、内容および責任者を明確に示さなければならない。
  • B:行政指導が口頭でされた場合において、相手方からその趣旨・内容等を記載した書面の交付を求められたときは、行政手続法35条4項各号に掲げる行政指導を除き、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
  • C:許認可等をする権限を行使することができる旨を殊更に示すことにより、相手方に行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。
  • D:同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じて行政指導指針を定め、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。
  • E:行政指導は、相手方の任意の協力を前提とするものであるから、当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を超えて行うことも許される。
【第6問:正解と解説】

正解:E

・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。35条1項のとおり。

・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。行政指導が口頭でされた場合に、相手方から行政指導の趣旨、内容、責任者等を記載した書面の交付を求められたときは、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない(35条3項)。ただし、①相手方に対し、その場において完了する行為を求める行政指導、②既に文書または電磁的記録により相手方に通知されている事項と同一の内容を求める行政指導については、この書面交付義務は適用されない(同条4項)。

・C
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。34条(許認可等の権限に関連する行政指導)のとおり。

・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。36条(複数の者を対象とする行政指導)のとおり。行政指導指針は意見公募手続の対象でもある。

・E
【論点】行政指導の一般原則(32条1項)

【考え方】
行政指導は非権力的な手法だが、無限定に許されるわけではなく、当該行政機関の「任務又は所掌事務の範囲」を逸脱してはならない。任意の協力を前提とすることは、所掌事務の枠を外す理由にはならない。

【選択肢解説】
本肢は所掌事務の範囲を超えることも許されるとしており妥当でない。よって本問の正解である。

関連過去問:H30,問12


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