行政書士 憲法 一問一答(1〜5問)|統治裁判所

重要度:A 論点:法律上の争訟

問1:司法権の対象となる「法律上の争訟」の意味と、これにあたらないとされた例を述べよ。

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「法律上の争訟」とは、①当事者間の具体的な権利義務または法律関係の存否に関する紛争であり、②法令の適用によって終局的に解決することができるものをいう。

板まんだら事件(最判昭56.4.7)は、具体的な権利義務に関する紛争の形式をとっていても、その紛争を解決するために宗教上の教義または信仰の対象の価値に関する判断が不可欠であり、法令の適用によって終局的に解決できない場合には、法律上の争訟に当たらないとした。

したがって、宗教上の事項が単に背景または間接的な前提として関係するだけで、直ちに司法審査が排除されるわけではない。

また、単なる学問上・技術上の論争も、具体的な権利義務または法律関係の存否に関する紛争でなければ、法律上の争訟に当たらない。

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重要度:A 論点:統治行為論(苫米地事件)

問2:統治行為論とは何か。苫米地事件(最大判昭35.6.8)の判旨とともに述べよ。

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直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為は、法律上の争訟として裁判が可能であっても司法審査の対象外とする理論。苫米地事件は衆議院の解散についてこれを採用し、その有効無効の判断は主権者国民に対して政治的責任を負う政府・国会の判断に委ねられ、最終的には国民の政治判断に委ねられるとした。

関連過去問:H27,問6/R2,問6


重要度:A 論点:砂川事件

問3:砂川事件(最大判昭34.12.16)は日米安保条約の司法審査についてどのように述べたか。

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砂川事件(最大判昭34.12.16)は、日米安全保障条約について、主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重大な関係を有する高度の政治性を有するものであり、その内容が違憲であるか否かの法的判断は、原則として司法審査になじまず、一見極めて明白に違憲無効であると認められない限り、裁判所の司法審査権の範囲外にあるとした。

これは、すべての条約または高度の政治性を有する条約を、一律に司法審査の対象外としたものではない。

なお、「変形型の統治行為論」「純粋な統治行為論」などの呼称は学説上の整理であり、判決自身が用いた表現ではない。

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重要度:A 論点:部分社会の法理

問4:部分社会の法理について、富山大学事件(最判昭52.3.15)の判旨を述べよ。

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自律的な法規範を有する団体内部の紛争は、それが一般市民法秩序と直接の関係を有しない限り、団体の自主的・自律的な解決に委ねられ司法審査が及ばない。大学の単位認定行為は特段の事情のない限り司法審査の対象とならないが、専攻科修了の認定は一般市民法秩序と直接関係するため司法審査の対象となるとした。

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重要度:B 論点:政党の内部自治

問5:共産党袴田事件(最判昭63.12.20)の判旨を述べよ。

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政党の党員に対する除名その他の処分は、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的問題にとどまる限り、裁判所の審判権は及ばず、政党の自律的な解決に委ねられる。

これに対し、当該処分が一般市民としての権利利益を侵害する場合には、司法審査の対象となる。

もっとも、処分の当否は、政党が自律的に定めた規範が公序良俗に反するなどの特段の事情がない限り、その規範に照らして判断される。そのような規範が存在しない場合には、条理に基づき、適正な手続に従って処分がされたか否かによって判断され、裁判所の審理もこの点に限られる(共産党袴田事件・最判昭63.12.20)。

関連過去問:H27,問6


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